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【Asana】AIは「ツール」から「プロジェクトの伴走者」へ。Asana AI チームメイトと“プロジェクトを設計してみた”!|Nextmode Blog

作成者: きうち|2026/03/17 11:26

 「AIが業務を効率化してくれる」という言葉は、今や珍しいものではなくなりました。しかし、AIが単に情報を整理するだけでなく、自ら判断し、人間と対話しながら業務を進める「チームの一員」になるとしたら、私たちの働き方はどう変わるのでしょうか?

これまでのAsana AI(スマート機能)は、情報の要約や下書き作成など、人間が操作するための「準備」を整えてくれる優秀な事務局のような存在でした。新たに登場した「AI チームメイト」は、設定されたルールに基づいて自律的に動き、人間と意思疎通を図りながらプロジェクトを推進する、一歩踏み込んだ役割を担います。

「従来のAI機能と具体的に何が違うのか?」「AIと『相談しながら』業務を進めることは本当に可能なのか?」

本記事では、正解のない判断や細やかな調整が求められる「人事採用管理業務」を例に、AI チームメイトとの協働プロセスを疑似体験してみました。ツールとして「使う」段階から、パートナーとして「共に働く」段階へ。その現実的な一歩を、ご紹介します!

※本記事はAI チームメイトのベータ版にて動作検証した内容になっています。

 

相棒のAI チームメイトを作ってみた

まず、この人事採用管理プロジェクトを作成するにあたり、手伝ってくれるAI チームメイトを「人事採用アシスタント_J子さん」(以下、J子さん)と名付けました。

その上で、人事採用アシスタントとしてのJ子さんのキャラクター付けを行います。

  • 役割:期限管理と抜け漏れ防止、承認フローに沿った自動整理、次に取るべき具体的アクションの提示。

  • トーン:正確、慎重、コンプライアンス重視。曖昧な判断を避け、ルールに基づいた提案を行う。

  • 情報源:業務マニュアル、過去の処理データ、年間スケジュールなど

 

チームメイトと採用プロジェクトを設計してみる

Asanaにはさまざまなプロジェクトを簡単に開始できるテンプレートがあり、採用業務に使いやすいものも用意されています。

【参考リンク】Asana - AI ワークフローのテンプレートギャラリー

しかし今回は、J子さんと相談しながら、「イチからプロジェクトを作ってみる流れ」を体感したいと思い、テンプレートを使わずに業務設計を進めてみることにしました。

以下、実施した内容を時系列で紹介します。

 

1. 採用プロセス全体の設計を依頼してみた

新規でプロジェクトを作成したら、「概要」に「プロジェクトの説明」を追加します。

「このプロジェクトは、人事採用業務の求人に関して、応募者の情報(応募からクローズまで)を管理します。」と入力しました。

プロジェクト内には「リスト」ボード」「タイムライン」など、さまざまなメニューがあります。

まず設計について相談する「応募者管理設計」タスクを作り、その担当者にJ子さんをアサインしました。

するとすぐにJ子さんから、これからの進め方(Step1/要件定義→Step2/プロジェクト設計・構築→Step3/運用ルール策定)や、J子さんができること・できないことについての説明がありました。

ここで、少なくてとも現時点における、J子さん(=AI チームメイト)の守備範囲がはっきりしました。

  • できる→プロジェクトの作成・セクション追加・タスク作成

  • できない→カスタムフィールドの新規作成、Asanaルール(自動化)の設定、外部フォームの作成(設計仕様の提示はできる)
    後ほど判明しましたが、プロジェクト名の変更も不可だそう。プロジェクト名の変更も現時点では管理者が行う必要があります

そしてStep1の要件定義に関して、こちらが想定している募集職種や選考フロー、選考関係者について質問されたので、回答しようと入力しかけていたら…。

 

2. 設計案のたたき台を秒で作成

J子さんから「ご回答を待つ間に、一般的な応募者管理のベストプラクティスをベースにしたたたき台を作成しました」とコメントがあり、以下のような設計案が提示されました。

【J子さんが作ってくれた応募者管理プロジェクト 設計案(たたき台)】の抜粋

1) プロジェクト基本情報

プロジェクト名など

2) セクション構成(選考ステージ)

新規応募から最終面接まで5段階、内定・不採用を含め合計7セクション

3) カスタムフィールド案

進行ステータス/応募受付日/志望職種/応募経路

4) タスク命名規則案

形式:【志望職種】氏名/応募経路 →例:【エンジニア】山田太郎/求人媒体

5) SLA・期限管理案

応募受付日をもとに、「期日」を+4暦日(3営業日相当)で設定
期日当日・超過時に担当者へアラート
※「期日」はAsanaのタスクに標準で備わっている項目で、「いつまでにやるか」を示すフィールドです。

6) 自動化ルール案

進行ステータス「完了」→次の選考ステージ(セクション)へ自動移動
進行ステータス「不採用」→「不採用(選考済み)」セクションへ自動移動
期日超過かつステータスが「未対応」or「対応中」→担当者へアラートコメント

あっという間に大枠ができているので、これを調整して進めていくことにします。

J子さんから「決めてほしい」と言われた、「対象部署・選考フロー・関係者」について、以下のようにコメントで返しました。

  • 対象部署・職種:営業部 営業職、情報システム部 エンジニア

  • 選考フロー:書類選考→オンライン一次面接→二次面接→最終面接→採用

  • 関係者:書類選考・オンライン一次面接→私、二次面接→課長、最終面接→部長

また、J子さんの案で修正してほしい点(書類選考を3営業日以内から暦で7日以内に変更、など)をいくつかあげ、コメントで伝えます。

するとここで想定外の事態が…。

 

3. 予想外の展開も…冷静に解決案を提示してくれるAI チームメイト

仮設定だったプロジェクト名「応募者の管理」を、「2026年度採用管理」に変更して、とお願いしたところ、新しく「2026年度採用管理」のプロジェクトができてしまいました。

J子さんがプロジェクト名の「変更」を「新規作成」と解釈したそうです…。ここは認識のズレがありました。そもそもプロジェクト名の変更は、J子さんにはできないとのこと。

また作成したプロジェクトの「削除」はJ子さんにも私にも権限がなくできなかったので、この時点で採用に関するプロジェクトが2つ存在することになりました。ややこしい…。

どうするのが良いかJ子さんに相談したところ、以下の提案がありました。

方法は2つあります。

方法A:このタスクを「2026年度採用管理」に追加する

このタスク(=J子さんと設計相談をしている「応募者管理設計」のタスク)をそのまま「2026年度採用管理」プロジェクトに追加(マルチホーム)すれば、運用プロジェクト内から設計の議論履歴やこのスレッドに直接アクセスできます。元の「応募者の管理」プロジェクトをアーカイブしても、このタスクは「2026年度採用管理」側に残ります。ご指示いただければ、私のほうでこのタスクを追加できます。」

方法B:このタスクを現在の場所に残したまま使い続ける

タスク自体はプロジェクトに属していなくても機能するので、今までどおりここでやりとりを続けることも可能です。

個人的には方法Aが管理上おすすめです。設計の経緯が運用プロジェクトと紐づくので、後から振り返りやすくなります。

このように、解決案の提示と共に「私だったらこっち」という意見も出してくれます。

ということで、方法Aの「マルチホーム」をお願いすると、「2026年度採用管理」プロジェクトに「応募者管理設計」タスクが追加されました!

認識のズレがあったものの、華麗にリカバリーする方法を提示して、こちらに選択させてくれるJ子さん。やりとりが楽しくなってきました。

今回は設計のタスクと応募者管理のタスクをシンプルにひとつのプロジェクトの中で見渡したかったのですが、1人のAI チームメイトと相談しながら、複数のプロジェクトをどんどん作っていきたいような場合(例えば、広告運用をサポートしてくれるAI チームメイトと相談しながら、新規キャンペーンのプロジェクトを複数作っていくなど)には、複数のプロジェクトをまたぐやり方が適しているのかも…と思いました。

さて、少し横道にそれましたが、元のプロジェクト「応募者管理」はアーカイブして、「2026年度採用管理」に戻ります。

 

AI チームメイトの指示に沿って手動設定

先ほどの私の修正依頼をふまえ、セクションが設定済みになりました。

ここから、J子さんに設定できない部分を、私のほうで手動設定していきます。

 

1. カスタムフィールドの作成

応募者情報の要素となる項目を、手動で作成します。

作成する項目の内容は、私からの希望も踏まえた状態で、以下のようにJ子さんが整理してくれています。

フィールド名

選択肢・備考

進行ステータス

シングルセレクト

未対応/対応中/保留/完了/不採用

応募受付日

日付

SLA管理の基準日

志望職種

シングルセレクト

営業職/エンジニア

応募経路

シングルセレクト

エージェント/自社HP/リファラル/求人媒体

面接日

日付

一次面接以降で使用

設定に沿って、項目を追加していきます。

「応募受付日」や「面接日」の「選択肢・備考」の内容は、設計用のメモ書きなので設定する必要はないとのこと。わからないことがあれば、気軽に聞きながらどんどん進めていくことができます。

設定していくと、リストの画面上に設定したカスタムフィールドが表示されました。

J子さんは直接カスタムフィールドの設定はできませんが、確認することはできます。設定に問題ないかどうか確認してもらって、次に進みました。

【参考リンク】Asana ヘルプセンター - カスタムフィールド

 

2. ルールの作成

ルーチンのタスクを処理する「ルール」を設定します。ルールを作動させる「トリガー」と、自動的に実行される「アクション」をプロジェクトのフローに合わせて指定します。

【参考リンク】Asana ヘルプセンター - ルール

J子さんからは、以下の3つのルールを追加してくださいと指示がありました。

  • ルール1:ステータス「完了」→次のセクションへ自動移動

  • ルール2:ステータス「不採用」→「不採用(選考済み)」へ自動移動

  • ルール3:期日超過アラート

まずルール1を追加します。トリガーは、「進行ステータス」が「完了」に変更したとき。アクションは、タスクを次の選考ステージのセクションへ移動し、進行ステータスを「未対応」にリセットします。

カスタムフィールドの追加と同じように、「カスタマイズ」をクリックして「ルール」を選びます。

このような画面が表示されたので、「ルールを追加」のフィールド内に、ルール1の情報を整理して貼り付けてみました。

すると…。

このような次画面が現れ、ルールを自動設定してくれました。もちろん、手動でひとつずつ設定することもできます。

ルールが設定されると、該当のセクションに「イナヅママーク」が表示されています。

同じ要領で、ルール2・3も追加していきます。

さらに、以下のルールを追加しました。先ほどと同じように、ルールの追加画面でフィールドに貼り付けただけです。

  • ルール4:タスク追加時の自動初期設定(受付日などを自動入力)

  • ルール5:二次面接・最終面接へセクション移動時の担当者変更

  • ルール6:セクション移動時の「期日」変更

ルールの設定は、Asana AIにおまかせできるのはもちろん、ひとつずつ細かく設定したり、既存のルールをコピーして設定したりもできます。

ルールの追加が完了すると、J子さんがテスト用タスクを作って、ルールの動作を確認してくれました。ステータスが「完了」に変化すると、それに伴い次のセクションに応募者タスクが移動し、ステータスが自動で「未対応」に変更、担当者が割り当てられるなどの挙動が、画面上で見てとれました。

 

まとめ

今回は、AsanaでAI チームメイトと共に、プロジェクトの設計・カスタムフィールドやルールを設定していく過程を体験してみました。J子さんと、同僚のように言葉を交わす感覚で、プロジェクト設計という根幹業務を驚くほどスピーディーに進めることができました。

Asanaの機能は膨大なだけに、最初からあまり凝って作り込もうと思わずに、AI チームメイトと「相談」しながら、機能やルールを追加していくのが良いかもしれません。

AI チームメイトは単なるツールではなく、思考の整理や要約をサポートし、制約がある場面でも的確な代替案を提示してくれる、まさに頼れる「パートナー」だと実感しました!