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【Asana】Asana AIで仕事はどう変わる?日常業務を効率化する3つのAIレイヤーとは

作成者: きうち|25/12/17 21:59

こんにちは、SaaSエンジニアのきうちです。

「AIで仕事が楽になる」と言われて久しいですが、皆さんの現場ではどれくらい実感できていますか?

チャットボットに質問したり、議事録を要約させたりといった使い方は定着しつつありますが、Asanaが提供するAIはそこから一歩進み、「プロジェクトの進行そのものを助ける」ことに特化しています。

そこで今回の記事では、Asanaが提供するAI機能の全貌について解説します。 単なる機能紹介の前に、まずAsanaが最も重視している「安心・安全なAIの仕組み」からお話しし、その強固な基盤の上で動く3つのAIレイヤーについてご紹介します。

 

はじめに:なぜAsana AIなら「安心して」仕事を任せられるのか

多くの企業がAI導入に慎重になる最大の理由は「データ漏洩」と「学習利用」への懸念です。 Asanaはこの点において、エンタープライズ企業が求める基準を明確にクリアする設計になっています。

  • データは「学習」に使われません
    • AsanaのAIは、顧客のデータをAIモデルのトレーニング(学習)に使用しない方針を掲げています(※所定の規約に基づく)。 あなたが入力したタスクの内容や、添付したファイルの情報が、他社のAIの回答として出力されることはありません。
  • 徹底された「権限管理」
    • Asana AIは、既存のAsanaの権限設定をそのまま引き継ぎます。 ユーザーが普段アクセスできない非公開プロジェクトやタスクの情報を、AIが勝手に引っ張ってきて回答することはありません。「人に見せてはいけない情報は、AIも見せない」という原則が守られています。

この「Enterprise-grade(大企業品質)のセキュリティ」が担保されているからこそ、私たちは安心して以下の革新的な機能を使い倒すことができるのです。

 

Asana AIの3つのAIレイヤー

AsanaのAI機能は、大きく分けて3つのレイヤー(階層)で進化を続けています。

  1. Asana AI(スマート機能)個人の生産性を上げる機能群

  2. Asana AI スタジオ自社の業務フローに特化したAIを作る機能

  3. AI チームメイト自律的に動く「同僚」としてのAI

本章では、これら3つの要素の全体像と、それぞれの具体的な機能について解説します。

※2025年12月執筆時点では、AI チームメイトはベータ版の提供となります。

 

1. 日常業務を加速する「Asana AI(スマート機能)」

安全性が確認できたところで、実際に使える機能を見ていきましょう。 Asana AIの進化の第1段階は、今すぐ日々の業務で使える「Asana AI(スマート機能)」です。

これらは、「情報の確認」「文章作成」「設定作業」といった、いわゆる「仕事のための仕事」を極限まで減らすために設計されています。「読む・書く・作る」の3つのシーンであなたの仕事を助けます。

① 情報を「読む・探す」時間をゼロにする

膨大なタスクやチャット履歴をAIが読み込み、必要な情報を瞬時に抽出します。

  • スマートサマリー

  • スマートステータス

    • プロジェクトマネージャー必見の機能です。プロジェクト内のタスク完了率やマイルストーンの状況をAIが分析し、週次報告などのステータスレポートを自動で下書き作成します。情報の拾い漏れを防ぎ、報告業務を数分で終わらせることができます。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートステータス
  • スマートチャット

    • Asanaに向かって質問するだけで、AIが回答してくれます。「このプロジェクトで期限切れのタスクは?」「〇〇案件の最新の決定事項は?」など、人に聞く感覚で情報を引き出せます。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートチャット

② 「書く・考える」品質を底上げする

AIが壁打ち相手となり、コミュニケーションや目標設定の質を高めてくれます。

  • スマートエディター

    • 作成した文章の「トーン調整(より丁寧に、より率直に)」や「文法修正」、「翻訳」を行います。例えば、他部署への依頼文を角が立たないように修正したり、海外チームへの連絡を翻訳したりする際に重宝します。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートエディター
  • スマートゴール

    • 目標管理の質を統一する機能です。作成した目標に対し、「測定可能な指標が含まれていません」といった改善点をAIが指摘し、より具体的で達成基準が明確な目標(SMARTな目標)にするためのアドバイスをくれます。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートゴール

③ ワークフローやプロジェクトを「自動で作る」

面倒な初期設定やルール作りを、AIへの指示だけで完結させます。

  • スマートプロジェクト

    • 「新製品のローンチ管理をしたい」など、やりたいことを自然言語で伝えるだけで、AIが最適なプロジェクト構造を提案します。必要なセクション、カスタムフィールド、タスク構成を含んだ状態で自動生成されるため、ゼロから作る手間が省けます。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートプロジェクト
  • スマートルールクリエイター

    • Asanaの強力な機能である「ルール(自動化)」の設定も、AIなら簡単です。「期日が過ぎたら担当者に通知して、優先度を『高』にする」と入力するだけで、AIが複雑なトリガーとアクションを組み合わせたルールを構築してくれます。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートルールクリエイター
  • スマートフィールド

    • タスクの内容をAIが読み取り、適切なメタデータを提案します。例えば、タスク名や説明文から「優先度」や「タグ」を判断して自動入力(オートフィル)したり、そのプロジェクトに不足しているフィールド自体を提案したりします。

    • 【参考リンク】Asana ヘルプセンター - スマートフィールド

 

2. ノーコードで自社特化させる「Asana AI スタジオ」

スマート機能が「一般的な便利機能」だとすれば、進化の第2段階である「Asana AI スタジオ」は「自社専用の脳みそを作る」ためのプラットフォームです。

これは、エンジニアでなくてもノーコードでAIワークフロー(スマートワークフロー)を設計できる機能です。 「この種類のタスクが来たら、AIはどう判断し、どう振る舞うべきか」という自社特有のルールやプロセスをAIに教え込むことができます。

【活用イメージ】

  • 問い合わせ対応クライアントからの要望が入った瞬間、AIが内容を分析し、「緊急度」を判定。適切な担当者を割り当てた上で、不足している情報があればコメントで自動質問する。

  • コンテンツ制作記事のトピックを入力すると、AIが構成案を作成し、参考資料を添付した上でライターにタスクを割り当てる。

汎用的なAIではなく、自社のビジネスロジックに沿って動くAIを作れるのが最大の特徴です。

【参考リンク】Asana ヘルプセンター - Asana AIスタジオのご紹介

 

3. 自律的に動く同僚「AI チームメイト」

そして、Asana AIの進化の先にある第3段階が「AI チームメイト」です。 これは単なるツールではなく、チームの一員として振る舞う自律型のエージェントです。

AI チームメイトは、AI スタジオで設計されたロジックに基づき、以下のように働きます。

  • 自ら情報を探しに行く必要なコンテキストを理解し、関連情報を収集する。

  • アクションを起こすアドバイスをするだけでなく、タスクの移動、情報の更新、コメントの投稿などを実行する。

  • 人間と協働する重要な判断が必要な場面では人間に承認を求め、許可が降りれば次のプロセスへ進む。

「AIを使う」段階から、「AIと一緒に働く」段階へ。AI チームメイトは、人が創造的な業務に集中するための最高のパートナーとなります。

【参考リンク】Asana ヘルプセンター - AIチームメイト

 

まとめ:AIは「ツール」から「チームの一員」へ

今回ご紹介したAsana AIの3つのレイヤーは、単なる機能の追加ではありません。これは、私たちの「仕事の進め方そのもの」を変革するためのロードマップです。

  • Asana AI(スマート機能)で、個人の時間を奪う「雑務」を一掃する。

  • Asana AI スタジオで、チーム独自の「勝ちパターン」をシステム化する。

  • AI チームメイトで、人間とAIが「協働」し、組織の実行力を最大化する。

これまで人間が汗をかいて行っていた「情報の整理」や「進捗の確認」をAIに任せることで、私たちは「戦略を練る」「意思決定をする」「創造的なアイデアを出す」といった、人間にしかできない高付加価値な業務に全力を注げるようになります。

Asana AIは、あなたのチームに最強の即戦力が加わるようなものです。 まずは、今すぐ使えるスマート機能から触ってみてください。きっと、仕事の景色が変わるはずです。

次回の記事では、この第一歩となる「Asana AI(スマート機能)」を使って、具体的にどのような業務がどう楽になるのか、明日から使える実践的なユースケースを深掘りしてご紹介します。