こんにちは、SaaSエンジニアのきうちです。
Asanaの有料プラン(Starter、Advanced、Enterpriseなど)の導入や運用見直しを行う際、重要な検討事項となるのが「ライセンスの適用範囲をどこまでに設定するか」という点です。
Asanaの法人向け契約におけるライセンス適用範囲は、大きく分けて「組織」と「ディビジョン」の2つの選択肢があります。
これらは単なる決済単位の違いだけでなく、全社での情報共有のあり方や社内ガバナンス、コスト管理の考え方にも直結します。本記事では、それぞれの特徴やメリット・注意点をフラットに比較し、自社の運用方針に合った選択肢を見極めるためのポイントを解説します。
「組織」と「ディビジョン」の基本比較
まずは、2つのライセンス適用範囲における主な違いを一覧で確認してみましょう。
| 比較項目 |
組織 |
ディビジョン |
| 適用範囲 |
会社ドメイン(例:@example.com)の全員 |
組織内の特定のユーザー・複数チーム |
| 対象プラン |
すべての有料プラン
|
Enterprise+以外の有料プラン |
契約の管理
|
会社全体で一括管理 |
ディビジョンごとに管理・分割可能 |
| プランの混在 |
組織全体で1つのプランに統一 |
ディビジョンごとに異なるプランを設定可能 |
「組織」契約の特徴とメリット
「組織」レベルとは?
会社で同一のメールドメイン(例:@example.com)を持つ全社員を対象にライセンスを適用する契約形態です。Asanaを全社共通のコミュニケーション&ワークマネジメント基盤として位置付けるアプローチとなります。
主なメリット
- 全社横断のコラボレーションとサイロ化の防止:全社で同じ有料機能を利用できるため、部署をまたぐプロジェクトや部門横断のイニシアチブがスムーズに進行します。「他部署のメンバーが機能制限で閲覧・編集できない」といった障壁が生じません。
- 強力なガバナンスとIT管理の一元化:IT部門や情シスが全社員のアカウント、セキュリティ設定(SSO、SAML統合、データエクスポート等)を一元管理でき、セキュリティリスクや野良ITの発生を防ぐことができます。
- 全社的な目標(ゴール)と進捗の一元管理:会社全体の経営目標(ゴール)と各部署のプロジェクトやタスクを全社規模で紐付けることができます。組織全体でリアルタイムな進捗状況をクリアに追跡・共有することが可能です。
注意点
- アカウントを持つ全員が有料ライセンスの対象となるため、導入時には全社的な予算の確保や、社内浸透に向けた全社的なオンボーディング設計が必要となります。
「ディビジョン」契約の特徴とメリット
「ディビジョン」レベルとは?
組織全体ではなく、特定チームの集まりや部署単位に限定してライセンスを適用する契約形態です。
主なメリット
- 部署ごとの予算に応じた独立管理:ディビジョンごとに個別の支払管理者を設定し、請求を分けることができます。部署ごとにIT予算(コストセンター)が独立している企業において、予算管理の整合性が取りやすくなります。
- 部署のニーズに応じたプラン選定:同じ会社内であっても、高度なリソース管理を行いたい事業部は「Advanced」、基本的なタスク管理のみを行う部門は「Starter」というように、ディビジョン単位で異なるプランを設定できます。
- 柔軟なライセンス割り当て:ディビジョン管理者コンソールから個々のユーザーに直接ライセンスを割り当てられるため、ディビジョン内の必要なメンバーに対して柔軟にライセンスを付与できます。
注意点
- ディビジョン外のメンバー(無料版ユーザーなど)と共同作業を行う際、そのメンバーは有料機能を利用できません。また、全社的なガバナンス構築や一元的なアクセス制御には制限が生じる場合があります。
参考
自社の目的・体制に合わせた選び方
自社が「全社的な一体感やガバナンス」を重視するのか、「部署ごとの個別最適や予算の独立性」を重視するのかによって、最適な選択肢は異なります。
「組織」契約が適している企業
- 全社共通のIT基盤としてガバナンスやセキュリティを一括統制したい
- 部門横断のプロジェクトが多く、全社での情報共有や目標(ゴール)の可視化を推進したい
- 全社的な業務プロセスを標準化し、リアルタイムで経営・業務の進捗状況を可視化したい
「ディビジョン」契約が適している企業
- 事業部や部署ごとにIT予算が完全に分離されており、請求書を分けたい
- 部署によって求める機能レベル(StarterやAdvancedなど)が大きく異なる
- 全社導入の前に、特定の事業部グループで先行して運用を検証したい
まとめ
Asanaのライセンス適用範囲は、企業の運用組織やITガバナンスの考え方に合わせて柔軟に選択可能です。
- 全社でのスムーズな連携、可視化、一元的なガバナンスを重視するなら「組織」
- 部署ごとの予算区分や必要な機能の違いに応じた個別運用を重視するなら「ディビジョン」
自社の組織構造、予算運用ルール、そしてAsanaを使ってどのような働き方を実現したいのかに合わせて、最適な適用範囲を選択しましょう。