こんにちは。
かつてはエンドポイントセキュリティ製品の「重さ」によるPCのフリーズで、作成中のドキュメントと共に幾度となく心を折られてきたネクストモード株式会社のよねです。
今回は、現在のサイバーセキュリティ界を牽引するCrowdStrike Falcon(クラウドストライク・ファルコン)について取り上げます。
「次世代アンチウイルス(NGAV)」や「EDRのデファクトスタンダード」として名高い本製品ですが、実際に導入・運用してみると、ある一つの大きな疑念が頭をよぎります。
「これ、本当に動いていますか?」
今回はCrowdStrikeがいかにして「空気のように存在感を消しているか(しかし、裏では堅牢に守っているか)」について、敬意と愛あるツッコミを交えて利用者目線で解説いたします。
かつてのエンドポイントセキュリティ製品の導入作業を思い出してください。「準備中...」のプログレスバーが遅々として進まず、ようやく終わったかと思えば「再起動が必要です(強制)」のメッセージ。PCが再び立ち上がるまでの待ち時間は、まさに業務の中断を強いる「儀式」でした。
しかし、CrowdStrikeの場合はどうでしょうか。
あまりのあっけなさに、拍子抜けしてしまいます。
「インストール完了」の表示が出ても、「本当にインストールされたのか? ショートカットが作られただけではないのか?」と疑いたくなるほどのスピードです。「重厚感こそが安心感である」という過去の常識を、彼らは最初から否定しにかかります。
従来のエンドポイントセキュリティ製品では、定期スキャンが始まるとPCのファンが唸りを上げ、ファイルのカーソルが重くなる現象が日常茶飯事でした。「今、PCが頑張ってスキャンしているな」と、マシンの労をねぎらう時間があったものです。
しかし、CrowdStrike Falconは違います。 クラウドネイティブなアーキテクチャにより、エージェント(端末上のセンサー)のCPU負荷は極限まで抑えられています。
……あまりに静かすぎて、稼働している実感がありません。
タスクマネージャーを確認しても、リソース消費の上位に顔を出すことは稀です。 例えるなら、「教室の隅で一言も発しないが、テストを受けさせると全教科満点を取る生徒」のような静けさです。もう少し、その働きぶりを主張してくれても良いのですよ?
※尚、しっかり見張っていただいている模様です。↓
ここが最大の驚きであり、ある意味で物足りなさを感じる点です。
旧来の製品は、定義ファイルを更新するたびに画面の右下にポップアップを表示してきました。
「定義データベースを更新しました」「脅威をブロックしました」
作業を中断させるこれらはノイズでしたが、同時に「守られている」という実感を与えるものでもありました。
対して、CrowdStrike Falconは徹底して「サイレント」です。 裏側では高度な振る舞い検知AIが稼働し、不審なプロセスをブロックし、ログをクラウドへ送信しているはずですが、ユーザー(私)の画面には何も起きません。
「執事のように、影に徹しすぎではありませんか?」
「先ほど、不審なサイトへのアクセスを遮断しておきました」と一言あれば感謝もできるのですが、彼らは「主人の業務を妨げないことこそが至高のセキュリティ」と言わんばかりに、黒子に徹しています。あまりに有能すぎて、存在を忘れさせるレベルです。
「本当に機能しているのか?」という疑念を抱きつつ、管理者が利用するコンソール画面(管理画面)を確認すると、背筋が伸びる思いをします。
すべてが、秒単位で克明に記録されています。
端末側では空気のように振る舞いつつ、クラウド側ではすべてを見通しているのです。 あんなに静かだったエージェントが、裏では「このプロセスの挙動は不審です。ブロックおよび隔離を実行。ログ送信完了」と、冷徹かつ高速に任務を遂行しています。
端末利用者に余計な心配をかけず、管理者には完璧な情報を提供する。まさにプロフェッショナルな仕事ぶりですが、そのギャップには畏怖すら覚えます。
いくつかのツッコミを入れてきましたが、CrowdStrike Falconのユーザー視点での真価は結局のところ以下の点に集約されます。
「エンドポイントセキュリティ製品の存在を意識させないこと=生産性を最大化すること」こそが、彼らの美学なのでしょう。
ただ、時折思い出してあげてください。 あなたが快適に業務に集中できているその裏で、Falconは静かに目を光らせ、誰にも気づかれないように脅威を排除し続けていることを。
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