こんにちは、SaaSエンジニアのきうちです。
これまでの記事で、Asanaがプロジェクト管理の様々な課題を解決し、いかに業務を効率化するかを解説してきました。Asana導入のメリットは十分に理解できたものの、「でも、今Excelで管理している膨大なタスクリストをどうやってAsanaに移せばいいの?」と、引っ越し作業に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
ご安心ください。Asanaは、既存のExcelデータを効率的に移行するための便利な機能を提供しています。今回は、現在Excelで管理しているタスクリストをAsanaにスムーズにインポートする方法(CSVインポートなど)や、移行時の注意点、そして既存の運用方法をAsana上でどう再現するか、または見直すかのヒントを提供します。
Excelからのデータ移行、よくある不安とAsanaの解決策
Excelで管理しているタスクリストを新しいツールに移行する際、以下のような不安を感じるかもしれません。
- 手入力の手間とミス
数が多いと、手動でAsanaに転記するのは非常に骨の折れる作業であり、入力ミスも発生しやすくなります。
- データの形式変換
ExcelのデータがAsanaの形式に合うか不安。特に、依存関係やサブタスクのような複雑な構造をどう移行するか。
- 既存の運用とのギャップ
これまでExcelで慣れ親しんだ運用方法をAsanaでどう再現すればいいのか分からない。
Asanaは、これらの不安を解消するための機能を提供しています。
ExcelからAsanaへスムーズに引っ越す2つのテクニック
ExcelからAsanaへのデータ移行には、主に2つの方法があります。
1. CSVインポート:大量のタスクを一括で移行する(推奨)
これが、最も効率的で推奨される方法です。Excelで作成したタスクリストをCSV(カンマ区切り)形式で保存し、それをAsanaにインポートすることで、大量のタスクを一度に登録できます。
【手順】
- Excelデータの整理
- Asanaにインポートしたい項目(例:タスク名、担当者、期日、説明、セクション名など)をExcelの列として整理します
- 特に重要なのは、Asanaの「タスク名」に対応する列、「期日」に対応する列です。日付の形式は「YYYY-MM-DD」など、Asanaが認識しやすい形式に統一しましょう
- 「担当者」は、Asanaに登録されているユーザーのメールアドレスかフルネームが推奨されます
- セクション分けしたい場合は、セクション名を記述する列を用意し、セクション名の下にそのセクションに属するタスクを配置するようにします
- サブタスクや依存関係は、CSVインポートでは直接設定できないため、インポート後に手動で設定するか、あらかじめAsanaのプロジェクトをテンプレートとして作成し、そこにインポートする形が良いでしょう
- CSV形式で保存
- Excelファイルを「CSV(カンマ区切り)(*.csv)」形式で保存します
- Asanaへのインポート
- Asanaで、タスクをインポートしたいプロジェクトを開くか、新規プロジェクトを作成します
- プロジェクト名の横にあるドロップダウンをクリックし、「インポート」→「CSV」を選択します
- 保存したCSVファイルを選択し、Asanaの指示に従ってExcelの各列をAsanaのフィールド(タスク名、期日、担当者など)にマッピングします
- 確認後、インポートを実行します
【CSVインポートのコツ】
- 少量のデータでテストする
いきなり全てのデータをインポートするのではなく、数行のテストデータでインポートを試し、正しくマッピングされるか確認しましょう。
- 重複タスクに注意
同じタスクを複数回インポートしないよう、注意深く行いましょう。
- 事前にAsanaユーザーを登録しておく
担当者を正しく割り当てるために、Asanaにメンバーを招待し、ユーザー登録を済ませておきましょう。
2. 手動入力:少量のタスクや複雑な構造を持つタスクに
タスクの数が少ない場合や、サブタスク、依存関係、カスタムフィールドなどが複雑に絡み合うタスク群の場合は、手動で入力していく方が確実な場合もあります。
- メリット
細かい設定を確実に行える、Asanaの操作に慣れることができる。
- デメリット
大量の場合は時間がかかる。
既存の運用方法をAsanaでどう再現・見直すか
ExcelからAsanaへの移行は、単なるデータの引っ越しではありません。これを機に、既存のプロジェクト管理運用を見直す絶好のチャンスです。
1. Excelの「シート」はAsanaの「プロジェクト」に
Excelで複数のシートを使い分けていた場合、それらはAsanaの「プロジェクト」に対応することが多いです。例えば、「新製品開発プロジェクト」というシートはAsanaでも「新製品開発プロジェクト」という名前のプロジェクトとして作成します。
2. Excelの「列」はAsanaの「フィールド」に
Excelでタスクの進捗状況やカテゴリなどを管理するために使っていた列は、Asanaでは「セクション」や「カスタムフィールド」として再現できます。
- セクション
タスクを「未着手」「進行中」「完了」などのフェーズで分けたい場合は、Asanaのセクション機能が便利です。プロジェクト内で視覚的にタスクを分類できます。
- カスタムフィールド
タスクの優先度、部署、予算、担当者以外の協力者など、Excelで個別に管理していた項目は、Asanaのカスタムフィールドとして設定できます。これにより、Asanaのレポート機能でこれらの情報を集計・分析することも可能になります。
3. 複雑な運用は「テンプレート」で標準化
Excelで複雑な手順書やチェックリストを管理していた場合は、Asanaの「プロジェクトテンプレート」や「タスクテンプレート」として再構築することで、標準化と自動化を同時に実現できます。毎回手動で準備する手間がなくなります。
まとめ:Asanaへの移行は「未来への投資」
ExcelからのAsanaへの移行は、少し手間がかかる作業に思えるかもしれません。しかし、これは一時的なものであり、その後のプロジェクト管理の効率化、チームの生産性向上、そしてストレス軽減という大きなリターンを考えれば、まさに「未来への投資」です。
今回ご紹介したCSVインポートなどのテクニックを活用し、既存の運用を見直しながらAsanaへスムーズに移行することで、あなたは「Excel地獄」から完全に解放され、よりスマートで効率的なプロジェクト管理の世界を体験できるでしょう。
次回は、Asanaを導入したものの「なかなか定着しない」という課題を解決するための実践的なTipsについて解説します。