日本酒をこよなく愛する里見です。2020年7月に会社を設立して以来、これまで1,000日以上の旅をしてきました。今年はスターアライアンスの世界一周の周遊券を使って、旅をしながら働いています。
世界一周のスタート、最初の訪問地は、深センです。深センというと、ドローンとEVと、ガラス張りのオフィスビルを思い浮かべる方が多いと思います。私もそうでした。しかし、今回泊まったのは、明代の城壁跡がそのまま街になった南頭古城の、路地の奥にある小さなホステルでした。
深セン・南頭古城の入り口
いつものBooking.comでの予約。正直、一泊2500円の普通のドミトリーだろうと思って、まったく期待していませんでした。
しかし、アメニティの充実っぷりに驚かされました。バスタオル(臭わない。清潔!)、ホットアイマスク、歯ブラシ、耳栓、ヘアキャップ、髭剃り……ざっと10種類が無料で取り放題。シャワーの水圧もしっかりしていて、シャンプーもコンディショナーもボディーソープも備え付け。給水機で水も補給できます(少し変な臭いがするのはご愛嬌)。それどころか、水やお菓子まで無料で貰える。
ベッドも広く、日本式のコンセント、USB Type-Cの充電口、読書灯、折りたたみ式の机まで付いています。旅先で「今日はここで一日仕事ができる」と思える宿は、そう多くありません。
洗濯機と乾燥機が無料なのもすごい。長旅の身にはありがたいです。
そして、ルールとして「下着は洗濯機に入れないこと」と書いてあります。ここまで気を配る必要があるのかと思うくらい、清潔さに気を配ってます。
もっとも、男性ドミトリーは荷物を広げっぱなしにする人が多く、それなりに雑然としています。ただ、部屋はそこまで臭いません。ベッドの下には靴の消臭剤まで置いてあります。
ちなみに1階には猫が2匹。これが可愛い。夜、コーヒーを飲みながら猫を眺めている時間が、いちばんの贅沢でした。
この宿には、日本のカルチャーにやたら詳しい若者がときどき泊まっていました。アニメで覚えた日本語で、いきなり話しかけられる。
就職活動の面接のために地方から出てきた若者も多く、英語が話せる人や大学を出た人が多いです。治安の良さは、そんな客層にも支えられていると思いました。
街に出れば日本の中古レコードが売られていて、漫画もアニメも並んでいました。
同宿のメンバーと話していて、いちばん面白かったのがセクシャリティの話です。
20代前半の若者からは、上野千鶴子の『女ぎらい ニッポンのミソジニー』を勧められました。仲のいい友人には必ず勧めているそうです。日本の社会学者の本を深センのドミトリーで知ることになるとは。この逆輸入体験は、なかなか忘れられません。
何度か一緒に飲んだ20代前半の女性は、ビジュアル系バンドが好きだと言っていました。恋愛対象は女性も男性も、とのこと。
経済が猛烈な速さで成長するなかで、性別役割分業があっという間に壊れて、その裂け目から新しいカルチャーが生まれてきている。その現場に、たまたま居合わせたような感覚がありました。
宿のカフェでは、3回に1回は日本の音楽が流れています。
壁には坂本龍一のポスターが貼ってあって、その隣にマルクスのポスターがありました。
坂本龍一のポスター
坂本龍一の隣にカール・マルクス
この街の面白さは、観光客向けの店とローカル向けの店が混ざり合っているところにあります。値段が高いから美味しい、という単純な構造になっていません。
私はほとんどローカルの店で食べていました。メニューが読めなくても、隣の人が食べているものを指させばなんとかなります。なぜか、そういう食事のほうが、記憶に残るものです。
チェーン店ですがとても美味しかったです
マンゴーたっぷりのスイーツ
近所の小籠包が安くて美味しく、毎日食べてました
クラフトチョコレートシのBUONO、アイスも絶品
濾過や加熱殺菌をしていない芳醇なビール、最も好きでした
持ち帰りのお弁当は、具材を自由に選んで量り売り、少し辛いです
深センの電気街、1階から3階ぐらいまでは普通に日本でもAmazonで買えるようなものが売っているのですが、4階以上になると、急にマニアックになります。パーツがそのまま売っていて、昔の秋葉原のようです。
なかでもUSBのパーツショップが個人的には面白く、30個以上買ってしまいました。上層階は、とにかく安くて面白いものがたくさん売っています。
djiの旗艦店、スタイリッシュな作りです
djiの旗艦店は内装が素晴らしいです
南頭古城はきれいに整備された深センのショーケースではなく、リアルな中国を知ることができます。自動運転やドローン配送など、まだまだやりたいことがたくさんあるので、また行きたいと思います。