はじめに みなさまこんにちはこんばんは、oktaneをこよなく愛するネクストモードのおはらふです
【Okta】Okta Workflowsにおける3つのエラー処理と実践テクニック
はじめに
こんにちは、ネクストモード株式会社テクニカルサポート担当です。
Okta Workflowsを活用していると、開発や運用の過程で必ずと言っていいほどエラー処理に頭を悩ませる時が訪れます。特に複雑なワークフローやAPIとの連携を行っている場合、予期せぬエラーが発生することは避けられません。エラーが適切に処理されていないと、自動化プロセス全体が停止してしまったり、データの不整合が生じたりする可能性があります。今回は私がこれまでの実務経験の中で実際に遭遇し、解決してきたいくつかの効果的なエラー処理パターンについて詳しくご紹介します。これらのテクニックを活用することで、より堅牢で信頼性の高いワークフローを構築することができるでしょう。
Okta Workflowsのエラーについて
Okta Workflowsでは、処理の途中でエラーが発生すると、その発生箇所で処理が停止し、以降の処理は実行されません。さらに、適切なエラー処理を行わないと、Okta Workflowsの実行結果を確認しない限り、エラーが発生していることに気づけない可能性があります。
エラー処理の種類
Okta Workflowsには、私の知る限り、次の3つのエラー処理方法があります。
- カード自体に備わっているエラー処理
- IF Errorカードによるエラー処理
- レスポンスを自分で分析し、If/Elseカードを活用したエラー処理
カード自体のエラー処理
多くのカードには右下の歯車マークから「Error handling」を設定することができます。
以下のようにリトライ回数やリトライまでの待機時間、エラー発生時のアクションを選択できます。
ただし、リトライはステータスコード 429(Too many requests)の場合のみ実行されます。それ以外のステータスコードでは、すぐに「Then」で選択したアクションが実行されます。
選択可能なアクションは以下の通りです。
- Halt Flow:フローを停止する
- Return Values:指定した値を返す
- Run another Flow:別のフローを呼び出す
If Errorカードを利用するパターン
If ErrorカードはプログラミングにおけるTry Catchの仕組みに似ています。
エラーが発生する可能性があるカードをIf ErrorカードのTryセクションに配置します。
このようにIf Errorカードを使ってエラーメッセージを取得し、後続の処理でそのメッセージを活用できます。
一般的な運用では、このエラーメッセージを含んだ通知をSlackに送信するなどして、問題を素早く把握できるようにします。
If Errorカードはエラーをキャッチした場合でも後続のカードが実行され続けます。そのため、カード自体のエラー処理と異なり、フロー全体が停止することなく処理が継続できるのが大きな特徴です。
レスポンスを分析してIF/Elseカードを利用するパターン
多くのAPIレスポンスでは、ステータスコード200が成功を、400や401、500や501などが失敗を示すのが一般的です。
しかし、Slack APIのように、ステータスコード200を返しながらも実際には処理が失敗しているケースがあります。
このような場合、レスポンスボディは以下のようになります:
{ "ok": false, "error": "invalid_auth" }
この場合、Okta Workflowsではレスポンスボディの「ok」フィールドが成功時の「true」か失敗時の「false」かで判定する必要があります。
If/Elseカードを使用することで、レスポンスが「true」の場合と「false」の場合で処理を分岐させることができます。
まとめ
本記事では、Okta Workflowsにおける複数のエラーハンドリング方法について詳細に解説しました。実務における実用面では、If Errorカードの活用が最も効果的であり、多くのシナリオに対応できることがわかります。このカードを使用することで、エラーが発生しても処理が停止せず、フロー全体の実行を継続することが可能になります。ただし、Slack APIなどの特定のサービスをカスタムAPIとして実行する場合には、単純にステータスコードだけでエラーを判断できないケースも存在します。そのような状況では、レスポンスボディの詳細な分析が必要となり、「ok」フィールドの値などを確認して適切な分岐処理を行うことが求められます。エラーが発生した際には、Slackなどの通知ツールへ自動的に詳細情報を送信する仕組みを事前に設定しておくことで、問題をリアルタイムで早期に発見し、迅速かつ効率的に対処できる体制を整えることができます。このような適切なエラー処理の実装は、Okta Workflowsを用いた自動化プロセスの信頼性と堅牢性を大幅に向上させることでしょう。