こんにちは、 ネクストモード株式会社 のSaaSおじさん久住です
今年も昨年に引き続き、サンフランシスコで開催されているOktaのイベント、Oktane(2023/10/3~2023/10/5)に参加しました!
今回は最終日10月5日に開催されたOkta WICに関するロードマップを伝えるセッション「Workforce Identity Cloud roadmap」についてお届けします
本セッションは今後の開発予定の機能も含まれているため、確定情報ではないということをセーフハーバーとして述べられた上で始まりました
そのため、ご覧いただく皆様もその想定でお願い致します
「キーノートでも発表があったし、そんなに多くないだろうから全部書いてやるぜ〜」と意気込んでたのですが、細かいのも含めて凄まじい量だったのでダイジェストでお送りします!
気になったロードマップ情報は少し立ち止まりながらお伝えできればと思います
キーノートの模様もブログにまとめてますのでよろしければ御覧ください!
ロードマップはWorkforce Identityを大きく分けて4領域で紹介されました
まずはディレクトリ管理のアップデートとロードマップです
全体ロードマップは下記の通りで、気になったところとしては後ほども出てくるRealms in Universal Directoryでしょうか
つぎにOkta Identity Governance(OIG)に話が移りました
Entitle Management(Early Access now)
SCIMやWorkflowsと連動した権限付与、レポーティング統合
昨年からもAccess Request、Access Certificationと並んでロードマップに乗っていたので遂にという感じですね!
Office 365やGoogle、Boxが利用可能、AWS等も2024年を視野に検討中
Integrated request catalog for Access Requests(Early Access Q1 2024)
Access Requestのためのカタログ
Configurable reviewer context(Early Access Q1 2024)
レビュワーに必要な情報をカスタマイズ可能となる
Bi-directional AD group management(Early Access Q1 2024)
OIGによるADグループ管理が可能となる(会場から歓声がわいていたので待ち侘びていた方も多かったのでしょう)
Governance Analyzer with Okta AI(Limited Early Access Q2 2024)
リスクスコアの分析や予測可能なリコメンドができるようになる
OIGの全体ロードマップは下記の通りです
こちらも昨年からロードマップに出ていた特権アクセス管理(Privileged Access Management、通称PAM)がEAになったとのことです
ちなみにOkta Identity Governance(OIG)はIGA(Identity Governance & Administration)のOktaの機能名称なのですが、PAMはOktaではOPAと略しそうな雰囲気を感じました(セッション資料にたまに「OPA」と出てきてました)
Secrets Vault(GA Q4 2023)
パスワード、APIキー、セキュリティトークンなどを保管し、その情報をもとにCLIからSSHやRDPを実行
Transactional MFA Support in PAM(GA Q4 2023)
アクセス権限付与のタイミングでコネクションベースでMFAを要求することができる
Entitlement Support for Cloud Infrastructure Discovery and Analysis(Early Access Q4 2023)
AWSなどのIaaSにアクセスする権限があるか分析し、可視化する
ロードマップは下記の通り述べていました
次にOktaのメイン機能とも言えるアクセス管理のアップデートとロードマップの紹介です
Phising Resistant Policy for Authenticator Enrollment and Recovery(Beta Q1 2024)
Authentication PolicyにEnrollmentとRecoveryを使えるようになる
Policy Recommender with Okta AI(Limited Early Access Q1 2024)
Authenticaton PolicyをOkta AIに基づいて改善提案をしてもらえる
Insights(Early Access Q1 2024)
フィッシング耐性を点数付けしてくれる機能
どこまでコーチングをしてくれるか気になるところです!
Elevating device security in access deicision(GA Q3 2023)
Chrome OSやChromeブラウザでのDevice Assuranceポリシーを設定できる
Bring your own device posture checks(Early Access Q1 2024)
内製やサードパーティ製品で取得したデバイスポスチャーを利用できる
Okta Device Access
Desktop MFA for Windows、Desktop Password sync for mac(GA Q3 2023)
AD参加済みWindowsのログイン時のOktaによるMFA対応
AppleのプラットフォームSSOによるmacのローカルパスワードとOktaパスワードの同期
Desktop MFA for mac(Early Access Q1 2024)
macのログイン時のOktaによるMFA対応
Device Passwordless Login(Early Access Q1 2024)
デバイスログインのパスワードレス
UI的にWindowsかなと思いますが、詳細情報はここでは語られませんでした
Identity Threat Protection with Okta AI(Limited Early Access Q1 2024)
SaaSへのログインだけを管理や監視するのだけでなく、SaaSを利用するエコシステム全体から脅威を検出し、修復させる機能
詳細はこちらも御覧ください
Risk Engine(Limited Early Access Q1 2024)
ログイン、セッション情報などをOkta AIを用いて継続的に評価
Adaptive Actions(Limited Early Access Q1 2024)
リスクベースに基づいたリアルタイムレスポンス
Universal Logout(Limited Early Access Q1 2024)
各SaaSからのログアウトは今までSaaS側の設定に依存していましたが、Okta側で強制的にログアウトさせる機能
Secure Partner Access(Limited Early Access Q1 2024)
一つのテナントを複数の仮想テナントにパートナーや従業員属性毎に分けることが可能
Access Managementのロードマップは下記の通りです
個人的にはDevice AccessがWindows、macともにどこまで機能進化していくかとても楽しみです!
世界中に16のデータセンター
オーストラリアのメルボルンにDR Cellが追加(2024)
DR(Disaster Recovery)の改善
1分以内にテナントのフェイルオーバーが可能
Okta Identity Engine self-service upgrades
Okta Aerial for multi-org management(Early Access Q2 2024)
複数テナントを管理するための管理画面
お客様の中でOrG2OrGを構成していたり、複数テナントを管理されている方にとってはすごく便利かなと感じました
Conditions for custom admin roles(GA Q4 2024)
管理者ロールの作成において、機微なユーザー属性を管理者に見せないようにすることができる
Interactive reports(GA now)
レポート機能におけるアプリケーションの割当状況や、MFAの利用状況の可視性向上や柔軟なフィルタリング
Log investigator with Okta AI(Limited Early Access Q2 2024)
SyslogをOkta AIでプロンプトで指示を出してアドバイスや回答をもらうことができる機能
Admin localization(Early Access)
管理画面の日本語対応
Google Workspace - Express Setup(GA Q4 2023)
SSOなどのアプリケーションのセットアップがワンクリックで終わる
Top OIN Applications - API coverage(Early Access Q1 2024)
TrendMicroやSlackなど、オンボーディング時間を減らすため設定変更をAPIにより同期
CLI enhancements(GA Q1 2024)
Oktaの新しいPower shell CLIにより、.NETとAWSでOktaをセキュアに管理
CIC SaaS venders in OIN(Future:将来計画)
Okta CICで作られているSaaSをOINに登録し、WICのユーザーが設定できるようにする
Idenitity Orchestration(Future:将来計画)
Okta WorkflowsやConnector Builderに加え、Task Managementを将来的に追加
Invoke API(CIC Actions)(GA Q3 2023)
Flow Pickers(GA Q2 2023)
Embeded Actions(Future:将来計画)
組み込まれたActionのカードがあってそれを利用するという考え方(まだビジョンの段階のようです)
プラットフォーム全体に関わるロードマップです
今年のOktane全体的に言えることですが、Okta AIを全面的に押し出し、機能アップデートにもふんだんにOkta AIを盛り込んだセッションでした
またそれだけではなく、昨年からのロードマップとなっていたOIGのアップデート(Entitlement Management)やPrivileged AccessなどOkta AI以外のアップデートもあり、やることが多くて嬉しい悲鳴ですね!
そしてそして、Okta Device Accessは将来的にSaaSへの認証認可だけではなくデバイスの認証認可も含めて一元的にIdentityを見ていこうというOktaの思いも感じられて今後の展開がより期待されます
これは余談 of 余談ですが、ブログがかなりボリューミーになりすぐ出せないことはセッション聞いてすぐ察したので帰りの飛行機の中で書いてアップしたろ!って思ってたんですが、それでも「もう飛行機が日本に入ってない・・・?」というくらいに時間かかるほど盛りだくさんなロードマップ&アップデートでした
日本に帰ったらメンバーにたくさん共有して、自分の中でも反芻したいと思います