こんにちは、ネクストモードの平林です。
今回は、生成AI(エージェントAI)を活用してレガシーシステムのモダナイゼーションを劇的に加速させるワークショップ
「Accelerating .NET and SQL Server modernization using agentic AI [REPEAT] (MAM303-R1)」に参加してきました。
移行といえば「泥臭い・時間がかかる・リスクが高い」というイメージがありますが、
今回のワークショップでは「AWS Transform」というエージェントAIサービスを使うことで、その認識を改める機会になりました。
そんな実際に体験した自動化フローと、エンジニア目線で感じた効果についてレポートします。
まずはセッションの基本情報です。
本ワークショップのテーマは、「AWS Transform」と呼ばれるエージェントAI機能を活用し、
レガシーな.NETアプリケーションとSQL Serverデータベースを、
クラウドネイティブな構成(AWS上の.NET+Amazon Aurora PostgreSQL)へ移行・モダナイズすることです。
「AWS Transform」の凄いところは、単なるコード変換ツールではない点です。
現行環境の分析から、計画立案、コード書き換え、そしてデプロイまでをエンドツーエンドでオーケストレーションしてくれます。
まずはAWS Transformのセットアップから始まります。
コンソールはチャットボット形式になっており、AIアシスタントと対話しながら進めるスタイルです。
今回は「Windows Modernization」カテゴリを選択し、目的である「SQL Server Database Modernization」のジョブを作成しました。
ジョブを開始すると、AIが前提条件のチェックを行います。
ここで「おっ」と思ったのが、DBのパスワードなどを直接入力させるのではなく、
AWS Secrets Manager経由でセキュアに扱う手順になっていた点です。実務でのセキュリティ要件もしっかり考慮されていました。
内容を確認し、「Done with pre-requisites」をクリックして次へ進みます。
次に、移行元となるSQLServerとソースコードリポジトリへのコネクタを作成します。
画面右上の「Save and Approve」ボタンを押すことでコネクタが有効化されます。
承認が完了しステータスが「Approved」に変わると、いよいよAIがリソースにアクセスできるようになります。
接続が確立されると、AIがリソースをスキャンします。
BobsUsedBookStoreのDBとリポジトリが正しくマッピングされていることが確認し、分析を開始します。
さらにアプリケーションの複雑性に基づいてWaveと呼ばれる移行計画を提案してくれます。
内容を確認し、「Confirm waves」をクリックして実際の移行フェーズへ進みます。
ここからはDBレイヤーの移行です。
AIがSQLServerのスキーマを解析し、PostgreSQL用に変換してくれます。
作成したテーブル定義が正しいかを目視で確認しました。
「ここは人間がしっかり見るべきポイント」という線引きが明確だな感じました。
用意されたデータロード用スクリプトを実行し、すべてのテーブルにサンプルデータが入力されます。
Web コンソール上でも変換結果のサマリー(Success)が表示され、レポートをダウンロードして確認することができます。
オプションですが、変換前のブランチを探索しています。
今回私はここまででした。
残りは検証とデプロイとなっていたようで、「コードでアプリケーションが正しく動作するか」や「PostgreSQLデータベースから本棚のデータを表示」
などをするようでした。
今回のワークショップを通じて、モダナイゼーションにおける心理的・物理的なハードルが大きく下がるのを実感しました。
面倒な設定作業は対話形式で。
膨大なコード修正はAIが一瞬で。
人間は「承認」と「確認」に集中する。
「AWSTransform」は単なるツールではなく、開発プロセスそのものを変える可能性を感じました。
塩漬けになったレガシーシステムを抱える企業にとって、これは強力な加速装置になるのではないかと思います。
このブログが、.NETやSQL Serverの移行を検討されている方の参考になれば幸いです!