こんにちは、SaaSエンジニアのきうちです。
【Asana | 脱Excelシリーズ】定着への道:「脱Excel」が定着しない理由と、Excel依存から完全に脱却するための実践Tips
こんにちは、SaaSエンジニアのきうちです。
これまでの記事で、Asanaがいかにプロジェクト管理を効率化し、未来の働き方をもたらすかをお伝えしてきました。Excelからのデータ移行も済ませ、いよいよ本格的な「脱Excel」生活が始まるはずです。
しかし、残念ながら新しいツールを導入したものの、「結局Excelに戻ってしまった」「一部の機能しか使われない」というケースは少なくありません。これはAsanaに限らず、どんなツールでも起こりうることです。なぜ「脱Excel」が定着しないのか?そして、どうすればAsanaをチームに完全に定着させ、Excel依存から脱却できるのか?
今回は、導入後のつまずきやすいポイントと、Asanaをチームに定着させるための実践的なコツをご紹介します。
なぜ「脱Excel」は定着しないのか?よくある落とし穴
新しいツールの導入が定着しない理由は、主に以下の3つに集約されます。
- 「とりあえず導入」で終わる
ツールを導入するだけで、具体的な運用ルールや目的が不明確なまま使い始めるケースです。結局、何のために使うのか、どう使えば便利になるのかが分からないため、以前のやり方に戻ってしまいます。 - 変化への抵抗と慣れ
人は新しい習慣を身につけることに少なからず抵抗を感じます。長年使い慣れたExcelの方が手軽だと感じてしまい、「新しいことを覚えるのは面倒」という心理が働きます。 - 部分的な利用に留まる
特定の機能しか使われない、一部のメンバーしか使わない、といった状況です。ツール全体を使いこなせていないため、情報の分断が解消されず、結局Excelとの併用になりがちです。
Asanaを完全に定着させるための実践Tips
これらの落とし穴を避け、Asanaをチームに深く浸透させるためには、計画的なアプローチと継続的な取り組みが不可欠です。
1. 明確な「ハウスルール」を定める
Asanaの使い方は自由度が高いからこそ、チーム内で「こう使う」というルールを明確に定めることが重要です。
- タスク起票の仕方
「誰が」「いつまでに」「何を(具体的行動)」を必ず記載する。「タスク名だけで説明を省略しない」など。 - コメントの流儀
「タスクに関する議論はすべてコメント欄で行う」「完了した場合は完了報告をコメントに残す」など。 - ファイルの添付方法
「関連ファイルはすべてタスクに添付する」「Google DriveやOneDriveのリンクを貼る場合は権限を確認する」など。 - プロジェクトとセクションの分け方
「〇〇に関する業務はすべてAプロジェクトに入れる」「タスクのフェーズはセクションで管理する」など、チームで共通認識を持つことで、情報の探しやすさが格段に向上します。
2. テンプレートの徹底活用
前回解説したテンプレート機能は、定着の鍵を握ります。
- 定型業務は必ずテンプレートから
「この作業は毎回テンプレートを使う」というルールを徹底することで、タスクの抜け漏れを防ぎ、業務品質を均一化できます。 - テンプレートを常に改善
使っていく中で「もっとこうした方がいい」という意見が出たら、積極的にテンプレートを改善しましょう。チームが使いやすい形に進化させることが定着につながります。
3. 「受信トレイ」と「マイタスク」の活用を習慣化する
Asanaの核となるこの2つの機能をメンバー全員が日常的に活用することが重要です。
- 朝一番と業務終了前に確認
「出社したらまずAsanaの受信トレイとマイタスクを確認する」という習慣をつけましょう。これにより、最新情報を見落とさず、今日の優先順位を明確にできます。 - 通知設定の最適化
不要な通知はオフにし、必要な通知だけを受け取るように設定を調整しましょう。通知が多すぎると、かえって見落としの原因になります。
4. 定期的な振り返りの場を設ける
- Asana活用定例会
週に一度、または月に一度など、Asanaの活用状況や困っていることを話し合う場を設けましょう。「どうすればもっと使いやすくなるか」「この機能はうちのチームにどう活かせるか」といった前向きな議論は、定着を加速させます。 - 成功事例の共有
「Asanaを使ったらこんなに楽になった!」という成功体験をチーム内で共有することで、他のメンバーのモチベーション向上にもつながります。
5. リーダーが率先して使う
チームリーダーやプロジェクトマネージャーが率先してAsanaを使い、その便利さを示すことが何よりも重要です。リーダーがExcelを併用していたり、Asanaを十分に使いこなせていなかったりすると、メンバーも「結局Excelでいいや」となってしまいます。

まとめ:Asanaは「ツール」ではなく「チームの文化」へ
「脱Excel」の定着は、単に新しいツールを導入することではありません。それは、チームの情報共有の文化や働き方そのものを変革することです。
最初は少し大変に感じるかもしれませんが、今回ご紹介した実践Tipsを一つずつ実行することで、Asanaは徐々にチームの「当たり前」のツールとなり、やがてはチームの生産性を飛躍的に高める「文化」へと昇華していくでしょう。
Excel依存から完全に脱却し、Asanaがもたらす透明性、効率性、そしてストレスフリーなプロジェクト管理を、ぜひあなたのチームで実現してください。
次回の最終回では、これまでのシリーズを振り返り、Asana導入によって得られる未来の姿について総括します。