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【Netskope】画像内の機密情報を見逃さない!DLP機能でマイナンバーカードを検知する仕組みと手順について|Nextmode Blog

作成者: こやしぃ|2026/07/17 09:00

 

こんにちは、こやしぃです。

昨今のSaaSの普及に伴い、テキスト(文字情報)ベースでの情報漏洩対策に力を入れる企業が非常に増えています。一方で『機密情報が書かれた画面のキャプチャ』や『スマホで撮影した書類の画像をアップロード』された場合に、それらを検知できる環境は整備済みでしょうか。

Netskopeには、画像対策として以下の2つの強力なアプローチが備わっています。

① OCR(光学文字認識)→ 画像から【文字】を抽出して検知する

② File Classifier (AI/ML画像識別)→ 画像そのものの【外観や形状】を学習して検知する

今回は、NetskopeのDLP機能が提供する画像対策アプローチである『OCR』、そしてAI/ML(機械学習)を活用した『File Classifier』それぞれの機能の違いを整理し、その使い分けと設定方法を解説します。

※上記機能のご利用には 【Netskope DLP Level 3】ライセンスが必要です。

OCR / File Classifier 機能の基本情報

まずは、ビジネスシーンでも機密情報として取り扱われる、マイナンバーカードを参考に考えてみましょう。

画像対策としては、
「画像の中にあるマイナンバーカードを検知するなら、OCRで12桁の数字や『個人番号』というテキストをスキャンすればいいのでは?」

という考えからOCRが思い浮かびますが、実運用では『大量の誤検知と『すり抜けという2つの壁にぶつかることがあります。

また画質や撮影環境による『文字化けが考えられます。スマホで斜めから撮影された写真や、光が反射して一部が白飛びしている画像の場合、OCRは文字を正しく読み取れません。12桁の個人番号が1文字でも誤認識されれば、ポリシーをすり抜けてアップロードされてしまう可能性があります。

この課題を解決するのが、Netskope DLP Level 3のFile Classifier機能です。

これはAI/ML(機械学習)を用いて、画像全体のデザイン、パターン、レイアウトといった特徴を学習し、画像を識別する技術です。

そのため、文字の誤認識や撮影角度に依存せず、『マイナンバーカードのような見た目の画像を高精度に検知してブロックすることが可能になります。

2つのアプローチの使い分け

では、もう一つの機能であるOCRは何のためにあるのでしょうか?

実はOCRとAI/ML画像識別は補完関係にあります。

【画像の中身 → テキスト主体か、デザイン主体か?によってアプローチが変わってきますので、改めてNetskopeが提供する2つの画像対策アプローチの違いと、それぞれの強みを整理しましょう。

機能アプローチ 仕組み 最適なユースケース
OCR 画像からテキスト情報を抽出し、キーワードや正規表現で検知する。 契約書のスクリーンショット、ソースコード(英語)が写り込んだ画像など、「書かれているテキスト自体」に意味がある場合
File Classifier AI/MLに画像の特徴パターンを学習させ、レイアウトや形状で検知する。 マイナンバーカード、運転免許証、医療用画像(レントゲン等)、CAD設計図面など、「特定のフォームや外観」を持つ場合

File Classifierの実装手順

Netskopeでこのビジュアル認識によるDLPポリシーを実装する手順を解説します。
※本機能のご利用には Netskope DLP Level 3 ライセンスが必要です。

事前準備 - AIの教師データを用意する
AIに検知したい画像のパターンを学習させるため、少なくとも20枚以上のサンプル画像を準備します。(例:ダミーのマイナンバーカード画像など)

※本来はポジティブデータ(本物の画像)が望ましいですが、実業務で本物のマイナンバーカードの画像を20枚集めるのは、セキュリティ上困難なケースが多いです。そのため、公開されている見本画像や、個人情報をダミーに置き換えたモザイク画像などを、撮影角度や背景を変えて複数パターン用意するのが実務における現実的なアプローチとなります。

Netskope公式参考リンク - File Classifier

Step ① File Classifierの定義

Netskope管理コンソール画面より、Policies > Profiles > DLP にアクセスして画面上部のタブから "FILE CLASSIFIERS" を選択し"New Trainable File Classifier" をクリックしますNew File Classifier 画面の説明

・File Classifier Name(ルールの名前)
ここでは【MyNumber_Card_Detector】 など、分かりやすい名前を入力します。

File Classifier Name Description (Option)
このFile Classifierの詳細情報を記載します。

Match threshold(一致しきい値)
スキャンした画像が、対象(例:マイナンバーカード)と『どれくらい似ていたら検知するか』の判定基準です。

・高く設定しすぎた場合(例:100%に近づける)→  検知漏れ(missed matches)が発生する可能性があります。

・低く設定しすぎた場合(例:0%に近づける)→ 誤検知(false positives)を引き起こす可能性があります。

推奨設定として、 初めはバランスの取れたデフォルトの 「60%」 で運用を開始するのがセオリーとされています。

Training file(学習用ファイル)

AIに「これがマイナンバーカードの見た目だよ」と学習させる為の見本画像データです。

・必要なもの: サンプル画像を最低20枚以上
・登録方法: フォルダにまとめるか、ZIPファイル(最大8MB)にしてアップロードします。

各項目を入力して、Saveをクリックします。
ここでSaveを忘れると、ファイルのアップロードが無効になるのでご注意ください。

Save後に約1~2分経過すると、ステータスがActiveになります。

Step ② DLP Profileへの組み込み

同じく Policies > Profiles > DLP 画面上から "NEW PROFILE" を作成します。
最初の設定(File Profiles)は何も指定せずに "NEXT" で進みます。

Content Rulesの項目で "File Classifier" の欄に、先ほどStep 1で作成したFile Classifier (MyNumber_Card_Detector)を検索し、紐付けます。
Set PROFILEで名前をつけ、"SAVE" をクリックします。



Step ③ Realtime protection policyの適用

Policies > Real-time Protection に移動し、NEW POLICY > DLPを作成します。

各項目を入力し、Profile & Action にて、Step 2で作成したDLP Profileを指定します。
ポリシーを保存し、最後に "APPLY CHANGES" でテナント全体に反映させます。


この設定で、例えば社外の未許可クラウドストレージやツールへ、マイナンバーカードの画像をアップロードしようとした際、リアルタイムに検知・遮断する仕組みが完成します。

幅広い分野に応用できるFile Classifierのポテンシャル

このFile Classifierを用いた検知は、公的身分証の対策だけにとどまらず、企業のコアとなる知的財産の保護にも応用することができます。

・製造・開発 -  意匠図面やCADレイアウトの保護
文字による表現が難しい「回路図」や「製品の3面図」などの図面枠や特有のレイアウトを学習させることで、競合への技術流出を防ぎます。

・医療・バイオ - 機密性の高いスキャンデータの保護
電子カルテに添付される「レントゲンやMRIの画像データ」をビジュアル特徴から識別し、医療情報の漏洩を防止します。

・総務・人事 -  独自フォーマットの社外秘書類の保護
自社独自の「評価シート」や「履歴書テンプレート」などのフォーマットそのものを登録しておくことで、個人情報の不正持ち出しをブロックします。

OCR対応システムフォーマット一覧

一方のNetskopeのOCRは、主要な画像形式を幅広く網羅しています。
日常の業務で使われるスクリーンショットや画像データをカバーすることが可能です。

一般的なフォーマット: PNG, JPEG (JPG), GIF, BMP, TIFF

対応システムフォーマット一覧
BMP_Fmt
GIF_87a_Fmt, GIF_89a_Fmt
PNG_Fmt
TIFF_Fmt
JPEG_File_Interchange_Fmt
ISO_JPEG2000_JP2_Fmt, ISO_JPEG2000_JPM_Fmt, ISO_JPEG2000_JPX_Fmt
JPEG_2000_JP2_File_Fmt, JPEG_2000_PGX_Fmt
JPEG_XR_Fmt
JNG_Fmt
MS_DIB_Fmt


多くのユーザーが利用する【PNG_Fmt】 や【JPEG_File_Interchange_Fmt】【GIF】 などの主要な形式はしっかりサポートされているため、一般的なスクリーンショットの検知をカバーできます。

一方で、いくつか注意点があります。仕様や制限を理解していただいた上で運用を設計する必要がありますので、特に以下のポイントにご留意ください。

1. サポート言語は「英語のみ」

現時点(2026年7月時点)で、OCRによる文字抽出でサポートされている言語は英語のみとなっています。日本語のテキストが含まれる画像については、検知精度が保証されておらず、スルーされてしまう可能性が高いためご注意ください。

2. 認識精度(出力結果)に影響を与えるNGパターン

画像の状態によっては、文字として正しく認識できない場合があります。以下のような画像は検知漏れの原因になります。

①低解像度・小さい文字 フォントサイズが小さすぎる、または解像度が低い画像。

②特定の背景色 蛍光ペンでハイライトされた文字や背景と文字のコントラストが低い画像。

③筆記体・手書き風フォント 手書きの文字や、筆記体を模した特殊なフォント。

④画像の劣化 不鮮明でぼやけている画像、ノイズ(Artifacts)などの画像劣化がある場合。

📍ワンポイントアドバイス

OCRはあくまで【テキストの漏洩対策を画像に拡張するための補助機能】です。そのため、スルーされるリスクを考慮し『そもそも未許可SaaSへの画像ファイルのアップロード自体を制御する』といった、ポリシーと組み合わせて運用するのが効果的です。

Netskope公式ドキュメント - 参考リンク 

まとめ

NetskopeのDLP level 3が提供する、広範なフォーマットに対応したOCRと、デザインや形状を捉えるAI/ML画像識別の2つを組み合わせることで、より強固なDLP運用が可能になります。

画像からの情報漏洩対策を更にパワーアップさせたいという方がいらっしゃいましたら、この機会にぜひNetskope DLP Level 3 ライセンスの導入・見直しを検討してみるのはいかがでしょうか。

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