こんにちは。ネクストモードの韓です。
【Okta】Device Assurance Policyで猶予期間を設定できるようになったので試してみた!
はじめに
こんにちは、 ネクストモード株式会社 のSaaSおじさん久住です
ネクストモードではID統合管理(IDaaS)のOktaを利用して各SaaSへのシングル・サインオンやプロビジョニングの一元管理をしています
Oktaで会社支給端末を条件とした認証ポリシーを組む場合はMDMと組み合わせてDevice Trustという考え方で統制を行いますが、業務委託者など自社から端末を支給していない場合はDevice TrustではなくDevice Assurance Policy(デバイス保証ポリシー)を活用し、端末の状態を確認し、設定したポリシーを満たしている場合に認証を行えるようにすることができます
Device Assurance PolicyではOSのバージョンを最新のOSから2つまでのように動的に指定することもできます
今回、このOSバージョン指定において基準を満たしていない場合でも一定の猶予期間中であれば認証を行えるようにするオプション設定がEarly Accessとしてリリースされたのでご紹介します
何が嬉しいのか
主なポイントは以下の通りです
- 新機能により、Device Assurance Policyを満たしていない場合でも、一定の猶予期間中は認証を許可できるようになりました
- 猶予期間は最大180日まで設定可能で、ユーザーが認証に成功した時点からカウントされます
- この機能はOSアップデートのような即時適用が難しい要件に対して特に有用です
設定方法
Early Access の有効化
2024/10/30時点ではEarly Access機能となっています
はじめにOkta管理画面の Settings > Features から "Grace period for device assurance" を有効化します
また、Dynamic OS version complianceも有効にするとDevice Assurance PolicyでOSバージョンを動的に指定することができるようになります
以下にアクセスすることで、利用しているOktaテナントでの最新のOS定義を確認することができます
https://<your okta domain>.okta.com/.well-known/ov-configurations
Device Assurance Policyでの設定
- Okta管理画面のSecurity > Device Assurance Policies からAdd a policyをクリックします
- Policy nameでわかりやすい名前をつけます
- PlatformでOSプラットフォームを選択します
- OS versionを指定します
- Lock screenやDisk encryptionなども必要に応じて設定します
- Remediationで"Display remediation instructions"を選択します
- Grant users time to remediate issuesで、"Yes, after a number of days"を選択し、日数を指定します
- 検証時点で指定できる日数は最大180日でした
- 猶予期間はユーザーが認証を成功したタイミングからカウントされます
なお、7.でYes, by a due dateを選択した場合は日時を指定することができますが、継続的なメンテナンスが必要になる点に注意が必要です
Device Assurance PolicyをAuthentication Policyに組み込む
Device Assurance Policyは単体では機能しないため、Authentication Policyで条件として指定する必要があります
以下のようにテスト用のAuthentication Policyに新しいRuleを追加しました
設定としては、Device state isをRegisteredとし、Device assurance policy isで作成したDevice assurance policyを指定します
挙動確認
OSバージョンが古い端末からアクセスしてみます
以下のような表示がされ、Continue to appをクリックすることでアクセスが可能となります
OSをアップデートしないで猶予期間を経過した場合
以下のような表記となります
最後に
本記事では、Oktaの新機能である「Device Assurance Policyの猶予期間設定」について解説しました
この新機能により、セキュリティ要件を維持しつつ、ユーザーに柔軟性を提供することが可能になります
組織のセキュリティポリシーと運用の実態に合わせて、適切な猶予期間を設定することで、よりバランスの取れたセキュリティ管理が実現できます