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【Netskope】ALLOW IS THE NEW BLOCK─Netskope本社で感じた哲学

日本酒をこよなく愛する里見です。この夏、シリコンバレーにあるNetskope本社を訪ねてきました。今回は2週間の滞在でしたが、気候の心地よさに驚かされました。シリコンバレーの夏は、日本のように蒸し暑くなく、乾いた空気に爽やかな風が吹き抜け、どこまでも広がる青い空が迎えてくれます。その環境は、挑戦に向かうマインドを自然と後押ししてくれるようでした。

Netskopeの看板

オフィスの第一印象と「人」を感じる空間

Netskope本社はカリフォルニア州サンタクララにあります。建物の前には椅子やソファーが置かれ、社員同士が会話を交わしたり、ひと息つけるような空間が広がっていました。最初の一歩から「ここは人を大切にする会社だ」と直感させる雰囲気が漂っていました。

社内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは壁一面に飾られた写真たち。犬の愛らしい姿、世界各地の絶景、旅先の一枚、街並みの風景…。どれも社員自身が撮影した写真で、単なる装飾ではなく「社員の個性」がそのまま空間に反映されています。技術の会社でありながら、そこに働く「人」の存在がしっかり感じられるアートギャラリーのようで、温かく居心地のよい空間でした。

壁一面に飾られた写真社員が撮影した写真が社内のあちこちに掲げられています

初代のNetskopeジャパンのカントリーマネージャーが撮影した写真

初代のNetskopeジャパンのカントリーマネージャーが撮影した写真

技術の裏付けと数々の特許


1階には、Netskopeが取得してきた特許に関する展示がありました。クラウドセキュリティの領域において、どのような技術的なブレークスルーを積み重ねてきたのかが視覚的に表現されており、改めて「世界をリードする技術力」を実感しました。ゼロトラスト、CASB(Cloud Access Security Broker)、SWG(Secure Web Gateway)、DLP(Data Loss Prevention)といったプロダクトの背景には、こうした数々の研究と成果が存在しているのです。

特許

社員を鼓舞する言葉たち


さらに印象に残ったのは、社内に掲げられた著名人の言葉の数々です。

ネルソン・マンデラの「It always seems impossible until it is done.(それは成し遂げられるまでは、いつも不可能に見える)」という言葉。困難に挑む姿勢そのものが、Netskopeのカルチャーを象徴しています。

社内に掲げられた著名人の言葉の数々

アルベルト・アインシュタインの「Logic will get you from A to Z. Imagination will get you everywhere.(論理はAからZまで連れて行ってくれるが、想像力はあらゆる場所へ連れて行ってくれる)」という言葉も、印象的でした。セキュリティという高度に論理的な分野においても、想像力の力を信じていることが伝わってきます。


Logic will get you from A to Z. Imagination will get you everywhere

J.K.ローリングの「Imagination is the uniquely human capacity to envision that which is not, and therefore the fount of all invention and innovation.(想像力は、存在しないものを思い描くという、人間にしかない力であり、すべての発明と革新の源泉である)」という言葉は、未来を描き、それを現実にしていく人間の力を思い出させてくれます。


Imagination is the uniquely human capacity to envision that which is not, and therefore the fount of all invention and innovation.

We leave our egos at the door.


さらに、シンプルながら力強いメッセージとして掲げられていたのが、「We leave our egos at the door.(私たちは自分のエゴをドアの外に置いてから入る)」。立場や肩書きに縛られるのではなく、フラットに意見を交わし合う文化。これもまた、Netskopeが持つ強さのひとつだと感じました。

We leave our egos at the door.

Netskopeが掲げる「We leave our egos at the door.(私たちはエゴをドアの外に置いて入る)」という言葉には、シリコンバレーのテック企業らしい軽妙さの裏に、非常に強いカルチャー哲学が込められていると思いました。それは単なる謙虚さの推奨ではなく、組織としてイノベーションを生み続けるために欠かせない土台を意味していると思います。

まず、この言葉は「個人のプライドや自己主張よりも、チームの成果を優先する」という価値観を示しています。サイバーセキュリティという領域は、日々進化する脅威に対してスピード感を持って対応する必要があります。そのためには、誰かの意見や立場に固執して議論が停滞することは大きなリスクになります。会議室に入った瞬間、肩書きや役職、過去の成功体験といった「エゴ」は置き去りにして、フラットに「今最も良い解」を議論する。それこそがスピードと革新性を担保する文化の中核にあるのでしょう。

同時に、ここで強調されているのは「外に置く」という点です。これは社員の人格そのものを変えたり、否定したりすることではありません。むしろ、Netskopeは社員それぞれの多様な価値観や個性を尊重しながら、会社という場においては「エゴよりもチームを優先する」という共通ルールで動こう、というメッセージなのです。この一線を引くことで、個々の個性は守られつつ、組織全体としての一体感が生まれます。

また、「エゴを外に置く」ということは、失敗や課題を正直に共有できる環境づくりとも深く関わっています。サイバー攻撃や情報漏洩は、失敗を隠そうとする瞬間に組織全体を危険にさらします。だからこそ、Netskopeは「自分の面子を守る」ことよりも「事実を迅速に明らかにする」ことを優先する文化を大事にしているはずです。これは「心理的安全性(psychological safety)」の確保にもつながり、社員が安心して意見を言い合える風土を育てます。

さらに、この言葉は「顧客志向」の徹底にも通じます。セキュリティ製品を導入する企業は、日々新しい脅威に直面しており、Netskopeの社員は「自分が正しい」という態度ではなく「顧客が本当に必要としている解決策は何か」という視点で動くことが求められます。エゴを持ち込まず耳を傾ける姿勢こそ、真に信頼されるパートナーになる条件です。

そして最後に、エゴを外に置く文化は「多様性の尊重」とも密接に結びついています。シリコンバレーの企業において、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まり、互いの視点を組み合わせることで新しい発想が生まれます。エゴが前に出れば「自分のやり方が正しい」と思い込み、異なる考えを排除してしまう。しかしエゴを外に置くからこそ、多様性が力に変わり、集合知としての創造力が発揮されるのです。

つまり「We leave our egos at the door.」とは、Netskopeが単なるスローガン以上に大切にしている行動指針であり、①スピードと革新を阻む壁を取り払うこと、②失敗を隠さず学び合うこと、③顧客に真摯に向き合うこと、④多様な意見を融合させること、これらすべてを支える文化的エンジンなのだと推測しました。エゴを脱ぎ捨てたときに残るのは「学びたい」「貢献したい」「一緒に成し遂げたい」という純粋なエネルギーです。Netskopeはその力を組織の推進力としているからこそ、世界中で信頼を得ているのだと思います。

壁一面のアワードと信頼の証


オフィスの一角には、これまでに受賞してきた数々のアワードが整然と飾られていました。Gartner、CRN、SC Awardsなど、業界を代表する評価機関からの表彰が一望できます。これらの受賞歴は、Netskopeのプロダクト群──CASB、SWG、DLP、ZTNA(Zero Trust Network Access)などが世界中の企業から高く評価されている証そのものです。

壁一面のアワードと信頼の証の様子

私たちネクストモード自身も、日本で最も多くのお客様にNetskopeを導入いただいた実績が評価され、2年連続でアワードをいただきました。誇らしいことですが、これは単に製品が優れているからではありません。Netskopeの「カルチャー」に共感し、その価値をお客様に届けたいという思いがあるからこそ、多くの導入につながったのだと思っています。

 

「ALLOW IS THE NEW BLOCK」という哲学


そして忘れられないのが、壁一面に描かれた巨大な壁画。そこには大きく「ALLOW IS THE NEW BLOCK」と書かれていました。従来のセキュリティは「ブロック(遮断)」を基本とするものでした。しかしNetskopeは「許可(ALLOW)」を前提にしながら、リスクを最小化するという新しい哲学を掲げています。社員が毎日目にするこの壁画は、セキュリティに対する姿勢を象徴しているように見えました。単なる言葉遊びではなく、「ビジネスの自由と生産性を妨げずに守る」──そのミッションが文化として根付いている証です。

この言葉は、変化の激しいこれからのAI時代にはますます重要となります。次々と登場するあたらしい機能をいちはやく触ってみる、使ってみる、という姿勢が未来の会社の業態に変化を与えます。チャレンジする精神に寄り添うセキュリティを届けたいという、Netskopeの企業理念を感じました。

Netskope

訪問を終えて


今回の訪問を通じて強く感じたのは、Netskopeの価値は「製品力」だけではないということです。世界をリードする技術群と、それを支える独自のカルチャー。挑戦を楽しみ、人を大切にする風土。そして「ALLOW IS THE NEW BLOCK」に象徴される新しい哲学。これらが一体となって、Netskopeを唯一無二の存在にしています。
私たちネクストモードも、このカルチャーに深く共感しています。だからこそ、Netskopeを単なる商材としてではなく、「未来の働き方を守る文化ごと」日本のお客様に届けているのです。日本で最も多くの顧客に販売できたのは、その共感の輪が確かに広がっている証だと思います。

シリコンバレーの青空の下で体感した風と、Netskope本社に息づく文化。その両方を胸に、これからも「クラウドであたらしい働き方を」守り抜く挑戦を続けていきたいと思います。