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ChatGPT Meetup Tokyo #0に参加してきました【前半】

ワインをこよなく愛するネクストモードの里見です。「ChatGPT Meetup Tokyo #0」に参加してきました。初回にも関わらず、オンラインで1347、リアルな会場にも50人の濃いメンバーが集ったイベントでした。今回はその様子を2回に分けて、紹介したいと思います。内容をダイジェストで紹介し、最後に簡単な感想を書いています。

ChatGPT Meetup Tokyo #0【前半】

YouTubeのアーカイブ動画はこちら

Opening    新居田晃史

ChatGPT Meetup Tokyo #0【前半】

司会の新居田さん。

KDDIアジャイル開発センターの説明と会場の説明    須田一也

会社の概要を説明している様子

会場提供スポンサーはKDDIアジャイル開発センター。

ChatGPT Meetup Tokyo #0【前半】

社内とお客様のアジャイル開発を全面支援するという会社の概要説明。

「ChatGPT×アジャイル開発のウェビナー」の告知

5月16日に行われる「ChatGPT×アジャイル開発のウェビナー」の告知がありました。永和システムマネジメントさんとの共催。

コミュニティのキックオフによせて / ChatGPTとLangChainで6日でサービスつくった話    吉田真吾

今回のコミュニティを企画した吉田真吾さんから、「なぜコミュニティをやるべきか」という話。資料はこちら

・LLMが世界をすっかり変えていまった
・組織の中に同じ情熱やベクトルを持っている仲間はいますか?
・自分が取り組んでいることの答え合わせをしたくないか?
↓↓↓
・情報が多すぎてハタと「すべて投げだしたくなる」
・世界から置いていかれている気がして「すべて投げだしたくなる」
・テメーのできなさ・知らなさに後ろめたい気持ちになる
↓↓↓
・落ち着いて、まっすぐに、一歩一歩やっていこう

コミュニティのCode of Conductを宣言

その後、コミュニティのCode of Conductを宣言。Takerにならず、Giveをし合う関係がコミュニティを支えるという考え方が、コンパクトにまとめられている。

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今回はChatGPTを使ってアプリをはじめて作った様子をレポート。作るだけなら2日間という、スピード開発。

デモの様子1

FAQをなかなか社員は見てくれなくて、大きな会社だと2人ぐらいのメンバーで500ぐらいの質問に回答していることもある。そこで、社員からの問合せに答えるアプリケーション(チャットボット)をデモで作成。

工夫したポイントとして、以下の説明がありました。

  • 全体
    • 間に合うかわからないのでフロント側(見える部分)から実装
    • ペアプロ:公式ドキュメントとにらめっこ
    • ツール選定:より抽象度が低い方を選ぶ
    • bing Chatは参照実装
  • チャット部分
    • Few-shotsでの問い合わせの後に「関連質問」も聞いて抽出
    • 「もう一度」と「停止」
  • 履歴部分
    • SlackbotでMometnto使ってたので流用
  • Embeddings
    • はじめはローカルにJSON保存

管理方法のスライドその後、実装のポイントを解説。

アプリを作ってみた感想は以下。

  • 楽しい
  • 公式ドキュメント読め
  • Embeddings
    • Llamalndexで十分
    • 界隈のトピックをウォッチするならLangChain
  • ベクターストア
    • Pinecone
    • Monento使いたい
  • gpt-4-32k早くほしい

本番用のLLMアプリケーションをつくるのスライド画面最後はイベント告知。

次回イベントの告知

2023年5月22日(月)19:00~タレントマネジメント ChatGPT勉強会#1の開催告知。

告知している様子

Serverless Meetup Japan Virtual #27の開催告知(https://serverless.connpass.com/)。

東京都の大学院 (AIIT) で24時質問対応してくれるTeaching Assistant (ChatGPT) を用意してわかったこと    安川要平

 

安川さんが話している様子

AIIT:東京都立産業技術大学院大学は社会人が学ぶ東京都の大学院。今回はプラグラミング学習でChatGPTを利用してみて、講義開始から1ヵ月経った現在の受講生からの評価を紹介。資料はこちら。当日の内容を再集録したものはこちら

安川さんが話している様子2

大学の講義でChatGPTを利用することについては大学によって三者三様な対応で、リポートや学位論文などでは無許可での使用を認めない大学もある。

受講生に取ったアンケートによれば、「AIを使うことで効率的に学習できると感じた」という答えが80%、「本講義を進めるにあたって、AIに質問する頻度は?」に対して1週間に数回以上使っている受講生が66.7%となっていて、受講生の評価は非常に高い。

アンケートの集計結果「AIを用いて課題を解くにあたり、課題は難しいと感じましたか?」という質問には、「簡単過ぎず、難し過ぎないと感じた」という答えが73.3%で、受講者に利用が浸透していることがわかる。

その後、受講生からのAI利用に対するコメントを紹介。

「AIITは全体的に肯定的でむしろ上手に活用することを推奨している気がするので、とても良い」

「コピペではないことを証明するための労力(回答の正しさ、確からしさ、出典などの調査)が意外と時間が必要」

質疑応答2

AIを活用するにあたり、もっともらしいウソ(=事実とは異なる内容や、文脈と無関係な内容)の出力が生成されることへの対策(ハルシネーション対策)をするよりも、手を動かして「作る時間」を受講生に増やしてもらう方が良いと考えて、コピペではないことを証明するための労力を受講生がしなくてもいいようにしている。

ChatGPT Meetup Tokyo #0

そうした積極的なAI活動の努力の甲斐があり、受講生からの質問も例年に比べて非常に多くなっている。このペースで行くと、3カ月の講義で350件以上になる可能性があり、100倍近い数字となりそう。

ChatGPT Meetup Tokyo #0

AIによる24時間対応のTAを用意してみたところ、以下の受講生の評価となった。

  • AIを使うことで効率的に学習できると感じた:80%
  • AIを使っても使わなくても、そこまで影響はないと感じた:13.3%
  • AIを使うことで(逆に)効率的に学習できなくなると感じた:6.4%

ChatGPTとおしゃべりできるAlexa Skillをリリースしました    村本雄太

gpt-3.5-turboを利用した自然言語処理をAlexa Skillとして開発した話。

村本さんのブログでの紹介はこちら

helloGPTの特徴

hello GPT(https://www.amazon.co.jp/uramot-helloGPT/dp/B0C1SQ111B)はAlexa Skillで、 音声コマンドを使って、質問や要望を送信できる。無料でも1日10回まで利用できて、リリース1ヵ月で864人が利用、発話数は15,353回。

「helloGPT」の特徴は、文脈を理解しながら会話することができること。AlexaやGoogle Homeだと、どうしても単発の会話で終わってしまう。しかし、「helloGPT」はOpenAI APIを利用しているため、文脈を理解した会話が可能に。例えば、「関西弁で話して」と伝えた後に「自己紹介をして」と伝えると、関西弁で自己紹介をしてくれる。

ツイート画面

ユーザーからの反応も良く、「登下校中に1人になったら話せる」という口コミも。

ツイッターの画面

APIを用いたAIキャラクター作成    sald_ra

sald_raさんの登壇の様子

「自分だけのAITuberを作る」というsald_raさんの登壇。資料はこちら

AITuberとは、「AI」+「YouTuber」のことで、配信中の発言やコメント返信をAIが行う。コメントを学習する点も特徴。

sald_raさんの登壇の様子2

AITuberの面白みは、膨大なカスタマイズ性と、育成ゲーム性にあるという。

sald_raさんの登壇の様子3

実装図はシンプルで、ノートパソコンでも可能。

sald_raさんの登壇の様子4

ローカルLLMを活用してAITuberを実装をしている理由を紹介している。以下のような「さくら」のキャラクターを表現するには、ローカルLLMが最適であると考えた。

  • 引っ込み思案で少し情緒が不安定だが、自分の気持ちを素直に伝える
  • 深夜に唐突に起きてPCつけるタイプ
  • すこしひねくれた性格

sald_raさんの登壇の様子5

実際の「さくら」の画面デモ。

#からコメントをはじめると、「さくら」に秘密にしたいコメントをかけたり、コメントの冒頭に@を付けると話題に付いて自分で深ぼって話そうとしたり、独自のカスタマイズがされています。

最後に(感想)

ChatGPT Meetup Tokyoを企画した吉田さんは、質の高いコミュニティをいくつも運営してきている。「初回はあえてリアル会場の参加者を50名に絞って交流したほうが熱量が溜まる」という工夫が興味深かったです。また、コミュニティへの関りは、TakerではなくGive Firstであるべきという基本姿勢の表明は、改めて大切だと感じました。

ハルシネーション対策をするよりも、手を動かして「作る時間」を受講生に増やしてもらう方が良いという安川さんの取り組みは素晴らしいと思いました。新しいテクノロジーを慎重に扱う必要性よりも、まずはやってみようというチャレンジ姿勢は、特に学術研究機関では必要です。また、その学習効果を数値で示している点も素晴らしいと思いました。

村本さんのhello GPTは、是非使ってもらいたいAlexa Skill。デフォルトのAlexaの回答よりも断然賢くて、会話が楽しくなります。関西弁だけでなく、津軽弁などでも答えてくれます。有償版で支援したいところです。

sald_raさんの「さくら」のキャラクターへのこだわりは、笑いを誘ってました。ローカルLLMを使って実装するこだわりが、いい意味で「技術の無駄使い」で、こうした無価値な熱量(褒めてます!)がテクノロジーを進化させます。

次回、第2回では、乾さん、大瀧さん、江頭さん、上野さんの登壇を紹介します。