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ネクストモードのカルチャー ⑦フィードフォワード 小さく早く失敗して、次に活かすこと

ワインをこよなく愛するネクストモードの里見です。

今回はネクストモードのカルチャーのひとつである、「フィードフォワード 小さく早く失敗して、次に活かすこと」について紹介します。ネクストモードでは、8つの「求める人物像」を定めていて、こちらで公開しています。

ネクストモードは自宅でもワーケーション先でもセキュアに働けるように、場所に囚われない「クラウドであたらしい働き方を」お客様に整備するクラウド専業のインテグレーターです。従来の非効率な働き方をなくして、クリエイティブな世の中に変えられると信じています。

全メンバーがリモートで働くからこそ、離れていてもお互いを信頼できるカルチャーを最も大切にしています。

⑦フィードフォワード 小さく早く失敗して、次に活かすこと

早い決断は、変化を受け入れる寛容さとなり、チャンスや運を逃しません。弱みを見せたらいつ足を引っ張られるかわからないという減点主義の評価をやめて、自分の弱さを知っている人を賞賛し、チャレンジしやすい会社でありたいと思います。

  1. たくさん失敗してください。そしてその失敗をNotionや勉強会で公開してください。我々は失敗から学んで前に進んでいきます。決して前向きの失敗を叱りません。むしろ失敗を褒めたたえたいと思います。
  2. 失敗したビジネスの数の多さが、成功するビジネスの数の多さに繋がります。小さく失敗することで、大きなダメージを回避し、将来の成功に繋げていきましょう。
  3. なにより、いちばん、スピードを重視しましょう。どんなに正しい判断をしても、決断が遅い人に、人はついていきません。長い時間をかけて検討しても、7割程度の完成度で決断をしても、結果は変わらないことが多いです。100%完成してから披露するのではなく、議論の過程をオープンにして、共に悩み考えて前に進みましょう。ネクストモードはスピード狂なのです。
  4. インシデントはSlackの「02インシデント対応窓口」で素早く共有してください。ショートカットから匿名での報告ができます。

Fail Firstを念頭に、早く失敗してそこから学べば、失敗は失敗でなくなり、成功の元になる。そんな考えの元、事業を進めています。たくさんの失敗をしてきましたが、今回は、実際の失敗例をブログにしたいと思います。

失敗例:リモート飲み会

Gather.Townのような仮想空間を活用したリモート飲み会を、コロナが流行っている間は何度も実施しました。nonpi foodbox™というサービスが料理とお酒を一緒に送付してくれるため便利でした。社員だけでなく、業務委託、派遣社員、を含めたフルタイムで働くメンバー全員に等しく懇親会の費用を負担しているネクストモードでは、リモート飲み会も全メンバーが対象です。また、何処で働いてもいいルールなので、リモート飲み会の当日に何処に居るかは、人それぞれ異なります。nonpi foodbox™が良かったのは、料理を届ける住所を各メンバーが自由に投入できることです。会社で一括で導入する手間が省けるだけでなく、働く場所の自由にも配慮した飲み会ができます。また、お酒が苦手な方は、ソフトドリンクも選べる点も好きでした。

しかし、リモート飲み会は、イマイチ盛り上がりに欠けます。どれだけ工夫をしても、オフラインのコミュニケーションの深さには到底適いません。特に参加人数が多いと、相手の細かな表情や身振り手振りといった身体情報が入ってこないため、一部のメンバーだけの少ない情報を処理していると、手持無沙汰になります。あまりに手持無沙汰で、はじめてリモート飲み会を実施した時は、気が付けばスパークリングワインを20分で1本空けていました。現在は、全国に散らばるメンバーをコストをかけてでも集めて、リアルな飲み会をするようにしています。

リモート飲み会の失敗から、学んだことがあります。リモート飲み会では全員がリモートでないと盛り上がらない、ということです。一部でもオフラインで集まっている集団がいると、どうしても情報に偏りがでてきてしまいます。目くばせや身振り手振り、オフラインで集まっているメンバーにしか聴こえない会話などが、リモートで参加しているメンバーの孤独感を募らせます。この気付きは、仕事で役に立っています。WEB会議を実施する際に、一部のメンバーが同じ場所で集まっているときは、全員でWEB会議に入ることにしています。あえて全員をWEB会議にすることで、オフラインで集まっているメンバーだけで気が付かないうちに盛り上がって、リモート参加のメンバーが置いていかれてしまうことを避けています。

ただし、あえて全員をWEB会議にするという方法にも問題がありました。オフラインで集まっているメンバーにもWEB会議に入ってもらう際には、隣同士で近い距離で会話をするため、ハウリングが起こりやすく音声が聞き取りにくくなります。この問題を解決するために高いノイズキャンセリング機能を搭載した骨伝導のヘッドセット(Shokz (旧AfterShokz))を全メンバーに配布しました。これにより、リモートで働いている際に、自分は聴こえているが、相手には自分の声が聴こえにくい、というホスピタリティの欠如を回避することができるようになりました。

リモート飲み会 ⇒ 全員WEB会議参加 ⇒ ノイズキャンセリング機能搭載のヘッドセット購入

失敗だと思ったことがあれば、すぐにその原因を探り、解決策をぶつけてみる、この小さなサイクルがカルチャーの醸成に役立っています。フルリモートで働き続きるために、「フルリモートでナンデモ完結させるのが正しい」というドグマに陥らないようにしています。最近はリアルで会う機会を増やし、合宿やレクリエーション、飲み会、アルムナイの集まり、なんだかんだで月に1回以上は集まる機会を作っています。

早い施策はリスクを減らす

いまのネクストモードはAWSとSaaSの会社ですが、2020年の創業当時は、AWSとネットワークの会社としてはじまりました。親会社であるNTT東日本のVPN製品を販売しようと思っていたのですが、ほとんど売れませんでした。クラウドとレガシーVPNの相性が良くなく、お客様の求めているものが違っていました。その一方、我々のフルリモートの働き方を気に入ってくださり、SaaSを売って欲しいというお客様が増えてきました。

そこで、すぐにネットワークのビジネスを店じまいして、SaaSの販売にビジネスの軸をピボットしました。ピボットしたと言っても、定型約款などを綺麗に整えて販売をはじめたのではなく、販売が好調になってから後付けで定型約款を整備しました。なんでも100%の準備をしてからはじめるのではなく、失敗するかもしれないので、まずははじめてみる。3ヶ月ぐらいやって駄目なら、諦めて次にいくことにしています。

ネットワークの製品を売ろうとしていた頃は、業種や業界に特化したマクロの市場分析から販売戦略を取ろうとしていました。しかし、その方法は間違いでした。クラウドを積極的に導入するお客様は、業種や業界に偏りがあるというよりは、社内でのマインドがオンプレ思考ではなく、小さくはじめて早く失敗するカルチャーを大切にしているお客様であったからです。VPNはクラウドネイティブなお客様に届ける製品ではありません。マクロの市場分析とは関係なく、目の前のアーリーアダプターのお客様に向けて商材を整えていくことが大切であることを、お客様自身から教えていただきました。

もちろん、SaaSの販売も順風満帆ではありませんでした。ネクストモードという会社は、NTTグループの中ではめずらしく、NTTで内製した社内システムを全く使っていません。これからの会社の姿に最もマッチするSaaSを選んで、会社をデザインしていきました。そんな中で、間違えた選択や、いまは使わなくなった仕組みもあります。

数年やってみて、取り扱うSaaSによって、売れるもの、売れないもの、ハッキリと分かれてきました。何が売れていて、何が売れていないのか、是非、ネクストモードの営業からヒヤリングいただければと思いますが、ここでも市場のデータと我々のお客様で乖離がでてきました。世の中で流行っているからと言って、ネクストモードから購入いただけるわけではないという、VPN製品が売れなかったときと同じことが起こります。クラウドを好むお客様は、製品の目利きも早く、ネクストモードが扱っているSaaSの中では、日本ではまだそんなに知られていないSaaSの方が売れていく。結果として、小さな会社である我々の商材は、Oktaを中心としたゼロトラストネットワークのSaaSを軸に独自のラインナップを作っていくことになりました。

早く失敗して(ダラダラ失敗しないで)、そのことから学び、失敗の内容をメンバーと共有することがイノベーションを育むカルチャーをつくっていきます。そのおかげで、今ではSaaSのビジネスはネクストモードの売り上げの約半分を占めるまでになりました。ネットワーク製品に拘って業種や業界の市場分析を続けていたら、いまの売り上げはありませんでした。

Notionを活用したカルチャーの醸成

最初に、Notionを活用したカルチャーの醸成について、紹介します。ネクストモードでは失敗のひとつであるインシデントが発生した場合、それが解決するまで社内に伏せておくのではなく、全員が見ることができるNotionで公開しながら解決策を練っていきます。下記は、実際のNotionのページです。

目的
発生したインシデントについて、その情報を周知し、対策を講じて再発を防止する
個人のミスは発生する前提で、全員がオーナーシップを持って再現性のある再発防止策までフォローする

本ページで取り扱う事柄
セキュリティインシデント(メール誤送信、情報漏えい、等)
お客さまの本番システムに業務影響を発生させた対応(意図しないシステム停止、作業ミス、等)
お客さまに改善を求められた対応
ヒヤリハット等、全社に情報共有し、改善すべき手順やフロー

対応ルール
インシデント対応は最優先事項とする
組織と仕組みで再現性のある再発防止策を講じる
各インシデントのオーナーは起票した部門とする

Notionページ インシデント再発防止

入社時に全員に対して実施しているセキュリティの勉強会では、「速やかに報告いただくことが大切で、インシデントの報告をしたことで叱ることはありません。しかし、報告が遅れたことに対しては、理由や責任を追求することがあります。」と説明しています。インシデントの発生(おそれ含む)の際には、個人判断をせず速やかに上長等へ報告を行ってもらい、組織として対応することにしています。過ちを隠すのではなく、積極的にNotionで公開することで、学びに変えていきたいと考えています。

Slackを活用したカルチャーの醸成

次に、Slackを活用したカルチャーの醸成について、紹介します。

Slackに「02インシデント対応窓口」のチャネルを設けていて、インシデントを素早く報告してもらう仕組みを作っています。このチャネルはメンバー全員が所属していて、失敗を全員で共有することができます。Notionはナレッジとして後から見返すことを前提として利用していますが、即時性のあるメッセージにはSlackが便利です。

しかし、なかなか失敗やインシデントは報告したくないものです。そこで、Slackのショートカットから匿名で報告できる仕組みを作っています。ショートカットから報告すると、マネージャーとセキュリティの専門家のみが参加している「csirt」チャネルに投稿されます。

Slack インシデント対応窓口

Slack インシデント連絡画面

失敗を報告する窓口はたくさんあればあるほどいいと考えています。それ以上に大切なのがすべてをOPENすることで、失敗はみんなで共有しています。そして、なにより大切なのはスピードだと考えています。失敗に対する考え方をまとめると、下記の優先順位になります。

スピード > OPEN:共有 > 複数の報告窓口

最後に

ひとりひとりがその人らしく働けるカルチャーは、SaaSの導入で浸透させることができます。自分の魅力や個性を最大限に発揮して「なりたい自分」になれる、そんな環境をクラウドで創っていけると信じています。これからも「クラウドであたらしい働き方を」世の中に広めていきたいと思います。

紹介しているSaaSの導入相談は、こちらからお願いします。