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ネクストモードのカルチャー ②テクノロジーの力を信じ、変化を起こそう ※2025年10月20日更新

ワインをこよなく愛するネクストモードの里見です。

今回はネクストモードのカルチャーのひとつである、「テクノロジーの力を信じ、変化を起こそう」について紹介します。ネクストモードでは、8つの「求める人物像」を定めていて、こちらで公開しています。

ネクストモードは自宅でもワーケーション先でもセキュアに働けるように、場所に囚われない「クラウドであたらしい働き方を」お客様に整備するクラウド専業のインテグレーターです。従来の非効率な働き方をなくして、クリエイティブな世の中に変えられると信じています。

全メンバーがリモートで働くからこそ、離れていてもお互いを信頼できるカルチャーを最も大切にしています。

テクノロジーの力を信じ、変化を起こそう


クラウドを使ってもっと楽しく働ける世の中を作っていきたいと思っています。 クラウドを導入すれば、いまの非効率な業務を効率化して、本来取り組むべきクリエイティブな作業にもっと時間を避けるようになるはずです。

  1. あたらしいテクノロジーで「あたらしい働き方」ができるように、社内勉強会を自由に開催してください。勉強会の開催と参加は全メンバーの権利です。誰もが参加できるように、告知と録画は必須です。
  2. Google Workspace、Notion、Asana等のSaaSを使って会議時間を減らしましょう。また、共同編集で退屈な議事録作成から解放されましょう。Meetの録画機能もナレッジ蓄積として使ってください。会議ではあらかじめ①何を議論して、②どこをゴールとするのかを決めて、会議の最後には、③何が議論されて、④次に何をするか、確認しましょう。
  3. SaaSで業務を自動化する「努力」を惜しまないことで「楽」できるようにしましょう。
    社内外でのやり取りは、Slackで。非効率なメールとサヨナラしましょう。資料の共有は「添付ファイル」ではなく、GoogleドライブのURLの共有で、添付の文化を世の中から無くしましょう。
  4. ネクストモードは電話をやめました。Meet等のWEB会議で、リモートならではの大きなリアクションで。最後は手を振って会議を終了するのが、ネクストモード流です。

クラウドが教えてくれた、“本当にやりたかったIT”


ITに関わる仕事をしているとき、こんな思いを抱いたことはないでしょうか。「思っていたITじゃない」という、ある種の失望感を。この失望感は、どこから来るのでしょうか。

理想と現実のギャップ。大学時代にテクノロジーに触れて感じた高揚感。秋葉原のジャンク屋で組み立てた自作パソコン。アイディアを詰め込んだ自作のゲームソフト。ECサイトを手書きのHTMLで作り上げた満足感。そんな充実した時間の延長にITの仕事があると思っていた人は少なからずいるのではないでしょうか。学生時代の私も、長らくそんな夢を持っていました。

しかし、実際に仕事に携わると、インフラの構築に時間がかかってしまい、やりたいことに辿り着くまでに疲れ果ててしまいます。データセンターの契約、サーバーの購入、ネットワークの手配、電源容量の計算、ケーブリング、OSのインストール、ミドルウェアのインストール……。これらの作業が、本来注力すべきアプリケーション開発のモチベーションを削いでいきます。また、実装の機会が少なく、仕様書の作成ばかりに追われていると、技術力がどんどん低下していきます。

疲れた顔をして働いている大人ばかりの社会に、子どもは希望を見出せるだろうか。 是枝裕和(映画監督)

大きな会社で働きながら、「思っていたITじゃない」という思いを抱えていました。手のひらからするりと砂のように落ちていったITへの憧れを、仕事の中でもう一度取り戻したい。ITで世の中を少しでも良くできるはずだ、という理想を追求したい。そんなことを思いながら働いていました。

自分が会社を作りたいとメンバーに伝えたとき、チームのメンバーに「なぜ会社を作りたいんですか?このままで良くないですか?」と問われました。私は答えました。「ITで世の中を良くしていけると信じている。いまの自分にとって、ここでの仕事は思っていたITじゃない」と。

1990年代の終わり、私は学生時代に、自作パソコンの本を書くほど秋葉原に通っていました。かつて自作パソコンでNECや富士通のパソコンよりも安くて性能が高いマシンを作ったときの楽しさが、クラウドに触れていると蘇りました。クラウドを活用すれば、少ない人数で大企業に引けを取らないシステムを作ることができる。

自分が愛してやまない技術を世の中に広めていくことで、これまでの非効率なレガシーシステム開発をなくし、誰もが最新のテクノロジーに触れることができる世界をクラウドで創っていきたい。それがネクストモードを立ち上げた理由です。

 

仕事がなければ人生は腐敗する。だが仕事に魂がなければ、人生は息苦しく窒息するアルベール・カミュ

私たちは、「思っていたIT」を実現するために、クラウドネイティブなアプローチで、本質的な価値創造に集中できる環境を提供したいと考えています。

テクノロジーを、再び手のひらに。UNIXとクラウドの共通思想


クラウドを活用した新しい働き方は、UNIXの「あるアイディアを皆で分かち合うことが重要である」という哲学と本質的に通じるものがあります。書籍『UNIXという考え方』(「The UNIX Philosophy」Mike Gancarz著)には、「車輪の再発明」を避ける知恵が書かれています。

「よいプログラマは素晴らしいソフトウェアを書く。偉大なプログラマは、そのプログラムを「盗む」。いや、トンプソンを泥棒呼ばわりしているのではない。そうではなく、彼は「独自技術症候群」を避け、すでにあるものにクリエイティブな付加価値を付けることにしたのだった。」『UNIXという考え方』

Unix

UNIXでは、自社の独自技術にこだわるのではなく、すでにあるものにクリエイティブな付加価値を付けて、使いにくい独自システムを作らないポリシーを大切にします。再利用可能なものは市中の技術をどんどん活用し、既存のソフトウェアをレバレッジとして利用する。徹底的に「作らない」ことにこだわってシステムを「作る」。この考え方は、まさにクラウドの思想そのものです。

クラウド・ファーストで、世の中にある良いものはどんどん取り入れていく。特に自社ビジネスのコアコンピタンスではない部分は外部リソースに委ねる。そんなシステム開発に取り組むことで、「思っていたITじゃない」という違和感から抜け出し、自分たちの手のひらの中に、もう一度、技術の主導権を取り戻すことができると考えています。

はじめてコンピュータに触れたときのワクワクした思い。この世界をコンピュータで変えていけると漠然と信じられたドキドキ感。そんな世の中を変える武器としてテクノロジーを活用していくことが、私たちの使命です。

テクノロジーを誰にでも手の届く場所に取り戻し、それぞれの働き手が注力すべき分野でその人らしく独自性を発揮してほしい。そのお手伝いができれば、世の中はテクノロジーでもっと働きやすくなると信じています。

ただし、その実現方法は、必ずしも一気にクラウド化することではありません。スモールスタートできるのがクラウドの良さであり導入のコツでもあります。

すべての社内システムを一度にクラウド化することは、特に大企業にとっては様々な未検討の課題を孕むことになり、リスクが大きすぎます。お客様がクラウドの導入で悩んでいる場合、「スモール・イズ・ビューティフル」の考え方で、まず目の前の小さな課題から取り組むことにしています。また、全社でいっぺんに導入するのではなく、試していただき、一部の部署からスタートすることをお勧めします。

クラウドの活用方法についてビジョンをお持ちの企業は良いのですが、どうしたらいいのかわからないというお客様には、まずはひとつ、NotionでもAsanaでもAWSでも構いません、導入していただき、課題を縦に横に、横断的に解決できる利用方法を提案します。

その際に、ネクストモードの強みは、個々のクラウドサービスに精通していること。私たち自身が日々活用しているツールだけを販売しており、日々アップデートされる機能を学び、手を動かして工夫を重ねているノウハウが、お客様の課題解決に直結します。

世の中にあふれている知識を活用しているので、誰にでもできることではありますが、「AとBを組み合わせれば簡単にできる」という発想に至るかどうかが、私たちの付加価値となります。そしてこのノウハウは、一度実装すれば属人化しにくく、誰でもメンテナンスできる社内システムとして機能します。

テクノロジーを民主化し、誰もが本質的な仕事に集中できる世界。それが、私たちネクストモードが目指す未来です。

SaaSを組み合わせたカルチャーの醸成


今回は、特定のSaaSではなく、複数のSaaSを組み合わせて業務効率化を実現している事例を紹介します。

エコシステムとしてのSaaS活用:ネクストモードでは、セールスオートメーションのツールとしてHubSpotを活用しています。ひとつのSaaSだけで完結できる業務もありますが、SaaS活用の真髄は、複数のSaaSを繋ぎ合わせてシナジーを生み出す点にあります。

以下の例では、HubSpot、Googleドライブ、board(VELC社)、freeeを連携させています。ひとつの機能はひとつのSaaSで実行し、「何でもできる」オールインワン型のSaaSに依存しないことが、システムの柔軟性と拡張性を生み出します。

ネクストモードの営業プロセス自動化フロー
  1. HubSpotで案件を作成:案件番号が採番される(NMH×××××) ⇒ Slack通知(新規案件作成、受注、失注)
  2. Googleドライブ上で案件番号と取引名(NMH××××_企業名_案件概要)のフォルダを自動作成:HubSpotの「案件フォルダURL」プロパティにGoogleドライブ上のURLが自動入力
  3. Asanaの「お客様申し込みフォーム」にお客様から必要情報を入力いただく:社内タスクを各メンバーに割当
  4. HubSpotとboardを連携させて、注文書や契約書、請求書を作成
  5. boardとFreeeを連携させて、会計処理を自動化


このSaaSの組み合わせによって、ネクストモードらしい効率的な営業オペレーションを構築しています。

ベストオブブリード戦略の重要性:個々のSaaSは汎用的なものを使っていますが、システムの使い方や企業ガバナンスは会社ごとに異なります。上記の仕組みもネクストモード独自のもので、他社でそのまま再現できない部分もあるかもしれません。しかし、だからといってゼロからシステムを構築しなくてはならない、とはならないはずです。

現行のシステムを担当している人がSaaSの比較表を作って評価すると、既存システムに合わせて各機能を評価するため、必然的に現行システムが最も優れたシステムという結論になります。既製のツールであるSaaSが劣って見えるわけです。

そうではなく、現行システムの機能を分解し、タスクをモジュール化して繋ぎ合わせることで、やりたいことを実現していくアプローチが重要です。SaaSを活用した働き方は「働き方にシステムを合わせる」とよく言われますが、それは、SaaS間の連携によって自分らしい働き方を再定義することを意味します。

内製化を支援するパートナーシップ:SaaSのカスタマイズにおいては、以下の3つの役割が揃っていることが重要です。

  1. ビジョナリー:やりたいことが思い浮かぶ人
  2. コンサルタント:その相談に乗ってくれる人
  3. インプリメンター:作ってみてくれる人

技術の内製チームを持たないお客様には、まず①の「やりたいことが思い浮かぶ人」を社内で育ててください、というお願いをしています。各SaaSがどんな機能を持っているかを理解している人材がいれば、あとはAとBを組み合わせて、インテグレーション部分を実現していくだけです。つまり、AとBの組み合わせ方について「②相談に乗ってくれる人、③作ってみてくれる人」の役割として、ネクストモードが伴走することができます。

自走可能な組織づくりへ:相談に乗ったり実装したりする際に気を付けていることは、その後、何でもネクストモードに依存しなくてもいいような関係を構築していくことです。お客様自身で自走してSaaSを使いこなしていただけるように、実装方法は後日ブログで公開し、できる限り誰でも再現できるようにしています。

第一原則「効率的な事業に自動化を導入すれば、より効率がよくなる」ビル・ゲイツ未来を語る』

ビル・ゲイツの上記の書籍は1995年のものですが、AIの時代になっても変わらない真実を述べていると思います。クラウドを通じて、「思っていたITじゃない」から「やりたかったITの世界」を、もう一度、お客様と一緒に実現したい。理想に燃えるエンジニアが最新のクラウドで世界を変えようと奮闘する、そんなすべての人を応援する会社であり続けたいと思います。

最後に ~クラウドに、文化をのせて~


とはいえ、SaaSを導入すればすべてが解決するというものではありません。昨今のAIブームの中で、「AIの導入で社内が混乱している」という日本の大企業の話をよく聞きます。それは何故でしょうか?

ビル・ゲイツの第二原則:前回紹介したビル・ゲイツの「第一原則」には、重要な続きがあります。

第二原則「非効率的な事業に自動化を導入すれば、より効率が悪くなる」ビル・ゲイツ未来を語る』

新しいテクノロジーの導入による効率化は、「根本的な改革が必要になる時期を遅らせるだけ」で、働き方そのものを変えていかなければ効果は限定的です。「コンピューターはけっして魔法の万能薬ではない」と同じ本の中でビル・ゲイツが述べていますが、ビジネスプロセスそのものを効率化すること、組織カルチャーを再構築すること、この営みとSaaSの導入が並行して進むことで、はじめて働き方は変革されていきます。

デジタルトランスフォーメーションの本質:それでも技術を信じている私たちは、改めて伝えたいと思います。ひとりひとりがその人らしく働けるカルチャーは、SaaSの導入を通じて浸透させることができます。創業から5年間で400社以上のお客様に伴走する中で感じてきた確かな手応えです。

自分の魅力や個性を最大限に発揮して「なりたい自分」になれる。そんな環境をクラウドで創っていけると、ネクストモードは信じています。

これからも「クラウドであたらしい働き方を」世の中に広めていきたいと思います。テクノロジーと人が調和する未来を、お客様と共に実現していくために。