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【Notion】Notion本社訪問inサンフランシスコ

はじめに


ワインをこよなく愛する ネクストモード株式会社里見です。

2023年10月にNotion本社に訪問してきました。ネクストモードでは会社設立以来、Notionに惚れ込んで社内導入してきました。シンプルかつパワフルなツールを産み出した会社は、いったいどんな働き方をしているのだろうか。Notion開発のエッセンスを少しでも感じたくて、オフィス訪問をさせていただきました。

Notion本社 ミニマリストの聖地


Notionの本社は、サンフランシスコの2300 Harrison Stにあります。車だとユニオンスクエアから南に20分ほどの行った場所です。建物にはNotionの看板がなく、本当にここなのか、少し不安になりました。現在はビルの1階と2階のフロアをすべてNotion社が使っています。

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建物の中は、飾り気のない簡素な空間で、よく見るとデザイナーズチェアやポスターがさりげなく置かれています。プレーンでいながら高機能なNotionのインタフェースと似て、控えめな主張の中に飽きのこない個性と様式があります。

オフィスの中には、ペーパーチェアをはじめとした様々な意匠の椅子があり、社員は好みの場所でくつろげるようになっています。一見したところ普通の椅子でも、例えば下記の椅子は臀部にフィットするように座面が曲線になっていて、吸い込まれるような座り心地です。

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1階の食堂の片隅には、世界を変えた「デザイン」の歴史が張り出されていました。床に無造作に並べられた書籍は、それぞれのデザインを解説したものでしょうか。

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壁に並べられているのは、Sonyの初代ウォークマン、初代iPhone、GAME BOY、Dyson Air Multiplier、iPad、Bialettiのエスプレッソメーカー、Harri KoskinenのBLOCK LAMP、等、後の世の中に大きな影響を与えた歴史的なプロダクトたちです。このピックアップセンスが絶妙で、なぜこのプロダクトが優れているのか、じっくり眺めてアレコレ考えたくなります。いつかNotion社員と一緒に、ここで議論してみたいものです。特に椅子に関するデザインの展示が多く、アーロンチェア、バルセロナチェア、ジグザグチェア、等、が紹介されています。

壁に並べられたプロダクトに共通しているのは、徹底的に1点を突き詰めた製品に宿るクラフトマン・シップ、余計なものには目もくれない直截さです。アイディアを探求するオブセッションから、結果的に視点の新鮮さが導き出されています。どこかで見たような機能のようで何処にもなかった、真似できそうで真似できない、歴史に残る特異点をNotionが目指していることがわかります。

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下記は食堂の入り口に置いてあった椅子とテーブル。

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オフィスの2階にあがると、フォルクスワーゲンの「Think Small」のポスターがありました。

1959年に発表されたこのモノクロのポスターは、フォルクスワーゲンのビートルの広告キャンペーンとして有名な広告です。視覚でごまかさない、ノングラフィックと呼ばれる広告手法で、プロダクトの利点を訴求しています。当時のアメリカは、キャデラックのような大型車が主流でしたが、フォルクスワーゲンはそこを逆手にとって、自動車と豪華さの伝統的な結びつきに反するシンプルなキャンペーンを打ちました。ビートルのシンプルさとミニマリズムを強調するための小さな画像は、どこかNotionの設計思想に通じます。

By Magazine, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=28042292

Notionの働き方:生産性高く仕事をするためのコツ


オフィス見学をした後に、Notionでの働き方について、ゼネラルマネジャーAPAC担当の西勝清さんにインタビューしました。

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Notion社の働き方として、特徴的なものを聞いたところ、以下の3点を教えてもらいました。

    1. SlackとNotionですべての仕事がまわっている
    2. ランチが無料なので社員みんなで一緒に食べる
    3. ドーナッツ(Slackアプリ)で社員同士の勤務時間中の交流(30分程度)を促進

1.の「NotionとSlackですべての仕事が回っている」というのは流石だと思いました。社内のすべてのドキュメントはNotionで作成していて、Wiki、議事録、提案資料(Doc)、開発系の情報、等のページを全て社内にOpenにしています。フォルダに保存する文化だと、最新バージョンのドキュメントがわからなくなりますが、Notionの中にすべてのドキュメントがあるため生産性高く働くことができます。また、利用するツールがわかれているとスイッチングコストで集中力が途切れてしまいますが、Notion上にすべてがまとまっていると、連続した思考で仕事をすることができます。

提案資料もNotionなのでお客様がそこにどんどんコメントしていく。コンテクストが1か所に集まるため、「資料をメールでもう1回送ってください」ということがなくて効率的です。

印象的だったのは、「エンゲージメントの高さと情報のOpen性には相関性がある」というコメントでした。Notionを活用した働き方は、企業風土にも良い影響を与えます。仕事のための仕事を排除した、ミニマリストが辿り着いた働き方、それがNotionなのでしょう。

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2.の「ランチが無料なので社員みんなで一緒に食べる」というのは、アメリカのSaaS企業では当たり前なのかと思っていましたが、実はそうでもないようです。GoogleやFacebookのようにランチを無料にしている会社はむしろ少数で、Notion社もその少数の会社のひとつ。単に出社を促すだけでなく、社員同士のコミュニケーションを大切にしている取り組みです。

3.の「ドーナッツ(Slackアプリ)で社員同士の勤務時間中の交流(30分程度)を促進は、社員同士を週に1回、ランダムにマッチングさせて、おしゃべりの時間を自動でセッティングしてくれます。普段あまり接点のない開発エンジニアと営業のマッチングなど、他の人がどんな業務をしているかを知ることで、お互いのエネルギーを感じながら仕事に取り組むことができます。社内には無料の珈琲券があり、珈琲ショップまで散歩を楽しみながら会話をすることもできるようです。社内には立派なキッチンがあり、珈琲も飲み放題なのですが、カリフォルニアの青い空の下、淹れたての珈琲を飲みながらのチームビルディングは格別な経験となりそうです。

無駄を排除したNotionのユーザーインターフェイスは、社員同士のエモーショナルな触れ合いから生まれたのかもしれません。あたらしい働き方にとって大切なものはパッションであって、煩雑な手続きやドキュメントの束ではない、ということなのだと思います。

米国と日本の違い


せっかくNotion本社に訪問したので、米国でのNotionの利用方法と日本での利用方法の違いを聞いてみました。大きな違いはないということでしたが、しいて言えば、下記の2点が異なります。

  1. 日本で作られたワークスペースはディテールが美しい
  2. 日本ではホームページを作っているケースが多い

Notionで作られたホームページは本当に多く見るようになりましたが、改めて事例集を見ると、大手の企業でも使われはじめているのがわかります。特に株式会社ゆめみのホームページはとてもよく作り込まれていて、Notion社員もチェックしているようです。

最近では、Notionのテンプレートで年間1億円以上稼いでいる人もでてきていて、ビジネスのコアな部分でNotionが利用されているのは、日本でもアメリカでも変わらないトレンドです。

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Notionのバリュー


Notionでは「私たちが大切にしている4つのバリュー」を公開していて、CEOのIvan自身の言葉で公開されています。


Notionのバリューhttps://www.notion.so/ja-jp/blog/notion-operating-values

日本でも、パーパス経営やビジョン経営等が普及しはじめていますが、JTC(Japanese Traditional Company)と呼ばれる大企業ではなかなか浸透していないようです。JTCにビジョン経営が浸透していないのとは裏腹に、Notionでは創業者であるIvanの本気度が感じられます。日本の大企業は課長ぐらいで会社のビジョンがツイストされ、「上はああ言っているけど、違うよね、、、」となってしまうところ、Notionでは会社のバリューが全員に浸透しているのが特徴です。

入社後に、ミッション、バリューの説明や、カルチャーのセッションはありますが、なにより大切にしているのは、バリューの合う社員を採用している点です。そのため、バリューが日常業務に組み込まれて浸透していて、業績評価にも直結しています。


JTCの働き方はNotionで変わるか?


日本の働き方はNotionの導入で変わるのか?ということを聞いてみました。

Notionを導入することで、企業風土をスタートアップ化することができます。デジタル庁が「Government as a Startup」を掲げていますが、日本企業に足りないのはスタートアップの企業風土にある俊敏さではないでしょうか。ひとりひとりが情報の入手が容易で、信頼し合って、自走できる環境、それを実現するのがNotionです。Notionの導入で、イノベーションをもう一度生み出す環境が作れます。

実際、日本のスタートアップの多くがNotionを使っていて、組織が成長するためのストック情報を交換するツールとして、仕事の中心にNotionがあります。大きな会社だと、一気に導入するのは難しいかもしれませんが、変革マネージメントとしてできそうな組織からやっていくのも有効です。社員が自発的に書きだす、発表する、埋もれた才能を発掘できる、暗黙知が可視化される、透明性が高まる、といった意味で、スタートアップ化するきっかけとして、Notionを活用するのはとても効果的です。

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最後に


オフィス訪問は、Notionの製品哲学を知る貴重な経験でした。どんなメンバーがAll in oneの卓越したサービスを作っているのか?というかねてからの疑問と、彼らの製品に込められた秘密を、少しだけ伺い知ることができました。

ネクストモードでは、これからも、NotionをはじめとしたSaaS製品を通じて、「クラウドであたらしい働き方を」世の中に広めていきたいと思います。

Notionについてのお問い合わせ

ネクストモード社は、日本で3社しかないNotion販売代理店です。(2023年01月01日現在)
Notion導入を検討の際は是非下記からお問い合わせ頂けますと幸いです。

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