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「クラウドであたらしい働き方を」行政手続きでも

ワインをこよなく愛する里見です。ネクストモードは、全ての業務をSaaSで運営しているため、どこでも働くことができます。働く場所の自由を求めて、会社設立からワーケーションを積極的に行ってきました。今年は、ベトナム、ネパール、シンガポール、アメリカに行く予定です。憧れのヒマラヤ登山も、今年は9月に予定しています。社長があちこちに飛び回っていると、会社の行政手続きは紙でやるわけにはいきません。そこで今回は、ネクストモードで取り組んできた、「クラウドであたらしい働き方を」行政手続きでも実施する方法をご紹介します。

クラウドで効率的に働くために、印鑑と紙をなくしたいと思ってきました。社内決裁に伴って、上長の勤める場所まで移動して、順番に稟議を回していく作業は、必要最低限にすべきだと考えてきたからです。また、印鑑や紙が必要となると、ネクストモードのように全国に散らばって勤務していたり、ワーケーションをしているメンバーは、働く場所から郵送しなければならず、かなり面倒でもあります。

たしかに、日本独特の制度である印鑑をめぐっては、その必要性を唱える議論もあります。日本の法律は印鑑を基軸に積み上げられてきているため、電子署名については議論が尽くされていない、という弱点もあります。

しかし、それでもグローバルスタンダーで便利なものがデファクトとなっていく流れは止められないものと考えて、ネクストモードでは積極的に電子署名を採用しています。電子契約にすることで、契約書の収入印紙が不要という節約のメリットもあります。

このブログでは、以下の4点について、ネクストモードでの取り組みを紹介します。以下の手続きはどの会社でも必要なものであるため、共通の悩みではないでしょうか?

①取締役会議事録の押印
②印鑑証明書の取得
③登記簿の取得
④法人の本店移転や役員の変更等の登記申請(取締役会議事録の押印)

■デメリット①④
取締役会議事録を紙で押印すると、全取締役(7名)の住所に郵送で回覧して押印を実施することになり、どんなに早くても2週間ぐらいかかります。

■デメリット②③
登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)を利用することで、紙の申請よりは効率的に実施できるのですが、画面入力がわりとめんどくさいです。GUIがわかりにくく、ミスが発生します。また、社長自らがマイナンバーカードを利用して申請をする必要があり、社員が申請を代行するには、後述する手続きが、別途、必要です。

■解決策①
DocusignのEU Advancedを利用することで、取締役会議事録を紙で押印することを避けています。取締役の時給は一般的に高額で、印鑑を押してもらうためにコストをかけてはいられません。参考:DocusignのWEBページ

■解決策②③
印鑑証明書の取得、登記簿の取得については、グラファーのサービスを利用することで、簡単に取得することができます。GUIが素晴らしく、国が提供している登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)で20分ぐらいかかる手続きが最短1分で終わります。法務省のちょっと使いにくいソフトを利用しなくても、グラファーが法務省のAPIを経由して簡単に申請できるようにしてくれています。本来のDXの精神が、グラファーのサービスには宿っています。

グラファーサービス

しかも、このサービスがすごいのは、いちどサービスを利用すると、登録された情報をもとに、ログイン後は以下の画面から簡単に再申請することができます。

グラファーの印鑑証明書を請求する画面

上記の画面で「自社の証明書を請求する」を押すと、以下の画面となり、1分かからないで請求できます。登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)の場合には、別途、申請後にPay-easyで振り込む必要がありますが、その必要もありません。前回登録したカードで簡単に支払えます。Amazonで買い物をするような気軽さで、行政手続きができる気持ちよさに、感動しました。ほんと、これは便利です。

グラファーの請求内容入力画面

■解決策④
商業登記電子証明書を取得することで解決できます。登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)を利用した申請ののちに、別途、郵送で送付する必要がなくなります。

法人の電子証明書があれば、法人の多くの行政手続きをオンラインで申請できます。
法人の電子証明書は正式名称を「商業登記電子証明書」と言い、登記所が管理する登記情報に基づいて登記官が行う証明であり、法人の「代表者の本人性」、「法人格の存在」、「代表権限の存在」を認証する唯一の公的制度です。電子申請時に、申請人の本人確認やデータの改ざん防止に用いられます。(グラファーのWEBより引用)

しかし、この商業登記電子証明書の取得がかなり面倒で、いつかやろうやろうと思いながら先延ばしにして諦めていました。物理USBデバイスを用意しなくてはならないという、今時あり得ない申請方法です。そもそもセキュリティ上、情報漏洩対策として会社PCでUSBデバイスが使える会社はいまでは少ないのではないでしょうか。一方、会社PCでUSBデバイスが使えるような脆弱なセキュリティを持っている会社は、レガシーな紙の申請を継続していて、商業登記電子証明書を取得してペーパーレス化しようとは思わないのではないでしょうか?

また、商業登記電子証明書の取得のために、申請書に印紙を貼らなくてはならないという点も面倒です。27か月有効な商業登記電子証明書の場合、9300円の収入印紙が必要で、購入して貼り付ける必要があります。NTT東日本のブログにありますが、コンビニでの購入には制限があり、法務局や郵便局に行く必要があります。

紙での申請方法以外にも、登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)商業登記電子認証ソフトを利用した商業登記電子証明書の取得方法もありますが、これもまたかなり面倒です。

そんなときに知ったのが、以下のグラファーのサービスです。このサービスを実際に利用してみたのですが、滅茶苦茶簡単です。

複雑で面倒な作業・事前準備はもう必要ありません
オンラインからノーストレスで
登記所が発行するファイル形式の電子証明書を取得できます。
最適化された最低限の情報を登録いただくと、専用のロボットがお客様に代わって、法務局が提供する専用のソフトを操作します。お申し込みいただくと取得サポートキットがお手元に届き、迷わずカンタンに管轄登記所への申請を含む取得までのすべての作業を行えます。窓口での申請を除くすべての作業が最短10分で完了します。(グラファーのWEBより引用)

グラファーサービスの流れ

ネクストモードでグラファーのサービスを販売しているわけではないのですが、あまりに素晴らしかったため、このブログで紹介してます。実際の入力画面は下記で、プルダウンメニューに従って入力していくだけです。

グラファーの入力画面

グラファー入力画面2

WEBから必要事項を入力すれば、数日でレターパックが送られてきます。申請書にはすべての情報が記載されています。USBメモリも同梱されていて、必要な情報が入っています。印紙も申請書に貼りつけられています。さらに、管轄登記所からの返信用レターパックも同梱されています。これ、自社ですべて実施すると、かなりのコストです。こんなアナログな手続きをサポートするサービスが存在することに、マジで感謝です。

法務省のソフトウェアには、APIの仕様が公開されています。民間のソフトウェアでAPIに対応したものは増えてきており、今回のグラファーのサービスもそのひとつとなります。

APIの仕様

【今後、取り組んでいきたいこと。】

商業登記電子証明書が取得できたので、以下の手続きの電子化にも取り組んでいきたいと思います。労基署関連の手続き、社会保険関連の手続きは、なかなか面倒です。また、税金については、税理士にお願いしている部分が多いですが、課税証明書や納税証明書ぐらいは自分で取得できるようになりたいものです。

・e-Gov電子申請
 ・社会保険・労働保険関係の申請
・e-Tax
 ・法人税・消費税など国税に関係する申告
 ・国税に関係する法人の課税証明書・納税証明書の請求

【最後に】

手続きの電子化は、司法書士にお願いしないで、自社で手続きを行うきっかけになります。なぜその手続きが必要なのか、その意味を理解しながら実施することは、業務が単なる雑用にならず、立体的な意味を持ちます。ネクストモードが目指す「クラウドであたらしい働き方を」という考え方を広めていきたいと願うのは、なぜその仕事をしているのか意味を理解しないで、チャップリンのモダンタイムズのように機械的な作業をする人をひとりでも減らしていきたいと考えているからです。たかが行政手続き、されど行政手続き。目的と手段が逆転して、手段が目的にならないためにも、ひとつひとつの手続きの意味を考えながら世の中をもっとクラウド化していきたいと思います。

なお、日本語版のDocusignには、日本語版の独自機能として陰影をアップできるDocusign Stampsがあります。この機能は、署名者が契約書への同意や承諾を表すために個人の印影をアップロードして文書に捺印するものです。ネクストモードはDocusignの販売代理店を行っておりますので、契約書をはじめ、行政手続きの電子化でお困りの方も、お問い合わせいただければと思います。

電子証明書申請の書類