はじめに
こんにちは、ネクストモード株式会社 テクニカルサポート担当です。
Notion DBでプロジェクト管理をしていると、期限が近いタスクや期限を超過しているタスクが埋もれてしまうことがあります。特にプロジェクトが佳境に入ってくると、タスクの期限はだいたい設定してあるのに、なぜか火種が後から見つかるなど、プロジェクトマネージャー(PM)として避けたい状況です。
そこで本記事では、Notion DBの数式とダッシュボード機能を活用し、「今、何が危険で、何から潰すべきか」を素早く判断できる環境を作る方法をご紹介します。
まず全体像として、今回のポイント(結論)から押さえます。その後に、プロパティ設計→数式→ダッシュボードの順で具体的な作り方を見ていきます。
全体像
ここで言う「期限管理」は、単に期限日を入れることではなく、期限観点で意思決定できる状態(危険なタスクを早く見つけ、手を打てる状態)を指します。
期限の問題は、まず「危険かどうか(分類)」と「どれくらい危険か(度合い)」の2つに分解できます。Notionの期限管理をPMの意思決定に使える形にするには、次の2つを分けて持つことが有効です。
- 期限ステータス(カテゴリ):期限超過/期限間近/期限問題なしなどで「危険度」を一瞬で判断するためのラベル
- 遅延日数(数値):深刻度を並び替えたり、閾値で切ったりするための指標
カテゴリがあるとダッシュボード内でも「期限超過」だけのビューや「期限間近」だけのビューのように簡単に扱うことができます。数値があると「期限超過」の中でもどれが一番遅れているかを確認できます。
この2つをセットで持つことで、PMはダッシュボードを『意思決定のツール』として活用できるようになります。
プロパティ設計
本記事のタスクDBは、Notion公式マーケットプレイスの「プロジェクト&タスク(Projects & Tasks)」テンプレートをベースに、期限管理(遅延日数/期限ステータス)とダッシュボードを追加して運用しやすくしたものです(テンプレート:プロジェクト&タスク(Projects & Tasks))。
まずは最小構成から始めます。プロパティが多すぎると運用が続かないので、「判断に直結するもの」だけに絞るのがコツです。
今回の構成は以下です。まずはこの最小構成のプロパティだけで十分に機能します。
ステータス / 期限 / 期限ステータス / 遅延日数 / 完了日
スクリーンショットでは説明のために遅延日数を表示していますが、このプロパティは並び替えや分析用途で使うためテーブルビューでは非表示にしてもよいと思います。
役割の分担
以下のプロパティはそれぞれ異なる役割を持ちます。
- ステータスは作業の進み具合自体を示すもの
- 期限ステータスは期限観点の危険度を示し、状況把握を早くするためのラベル
- 遅延日数は優先順位付け・分析に使うための指標(並び替え/集計/閾値)
「ステータスが進行中だから大丈夫」とは限らないし、「期限が近い=進んでない」とも限らないため、PMが見るこれらの観点は分けておくのがポイントです。
数式の実装(遅延日数)
Notionの数式は、式の途中結果を変数のように保持して再利用するような書き方ができません。そのため、dateBetween(...) のような計算を 別プロパティ(遅延日数)に切り出して【変数化】しておくことで、後々ラクになります。
ここで言う「ラクになる」は、たとえば次のような場面で効いてきます。
- 閾値変更に強い:後述の期限ステータスの「期限間近」などの基準を「7日」→「3日」のように変えるとき、直すのは判定の数字だけで済みます。
- 分類を増やしやすい:超過7日/14日など、段階を増やすときも条件を足すだけで済みます。
- ダッシュボードが作りやすい:遅延日数をソート/フィルタ軸としてそのまま使えます。
評価日の考え方
- 完了していれば「完了日」で評価(実績としての遅延/前倒し日数)
- 未完了なら「now()」で評価(現時点での遅延/残日数)
この考え方を踏まえて、まずはタスクDBに 「遅延日数」プロパティ(種類:数式) を追加し、下の数式をそのまま貼り付けます。
遅延日数の数式

コピペ用:遅延日数を計算するNotion数式
- プラス値:期限超過している日数
- マイナス値:期限までの残り日数
数式の実装(期限ステータス)
次に、PMがパッと見て判断できる「期限ステータス」を作ります。分類は好みですが、まずは4カテゴリくらいが扱いやすいです。
期限ステータスを用意することで、遅延日数のプラス/マイナスを毎回解釈せずに、危険度を一目で判断できるようになります。
- 期限未設定
- 期限超過(遅延日数 > 0)
- 期限間近(例:残り7日未満)
- 期限問題なし
期限ステータス

コピペ用:期限ステータスを色分け表示するNotion数式
「7日」はチームのリズム(スプリント長、承認フローの有無、レビュー待ちの多さなど)に合わせて調整しましょう。
まずは運用を回し、違和感が出たら変えてみるのがよいと思います。
補足
もちろん、期限ステータスの数式内に dateBetween(...) を埋め込んで直接表現もできます。ただ、運用の観点では、遅延日数を残すことで受けられる以下のようなメリットがあります。
- 計算ロジックの修正箇所が1か所に集約される(保守性)
- 並び替え/閾値抽出/集計など、ダッシュボード側の表現が増える
- 「危険度(カテゴリ)」と「深刻度(数値)」を同時に扱える
遅延日数は「見せる列」というより、「判断を支える指標」として残しておくというイメージです。
ダッシュボード
ここまでで「期限ステータス(分類)」と「遅延日数(指標)」が揃ったので、あとは見せ方を整えます。
多忙なPMにとっては、タスクを全部読む必要があるような丁寧な一覧ではなく、判断に必要な情報だけが目に入る画面です。具体的には、次の3つが即座に見える状態です。
- いま手を打たないとまずいタスク(期限超過)
- 次に燃えそうなタスク(期限間近)
- そもそも期限が入っておらず「潜在的に危ない」タスク(期限未設定)
これらを一覧をスクロールして探すのではなく、ダッシュボードを開いた瞬間に、目に入るという状態を作ると、状況把握〜優先順位付けがかなりスムーズになります。
このときダッシュボードは、上から 概要層 → 分析層 → 詳細層 の3段階で情報が深くなるように設計すると、忙しいPMでも迷いません。
- 概要層:まず「何が危険か」を期限ステータスの件数(数字)で瞬時に把握する

- 分析層:次に全体の期限ステータス分布(円グラフ)と担当者別の期限ステータス状況を見て、「危険がどこに偏っているか」を把握する

- 詳細層:最後に個別タスクの中身(背景・次アクション)を確認して、具体的な対応を行う

PMのための「ダッシュボードの読み方」と具体アクション
概要層:危険タスクの把握(件数のサマリ)
- 何を見る:🚨期限超過 / 🔔期限間近 / 🙅♂️期限未設定 などの「件数」だけを把握し、いま危険がどれくらい溜まっているかを掴む。
- 目的:朝会前に「危険が増えているか/減っているか」を即座に判断する。
分析層:対応順の決定(遅延日数で優先度を付ける)
- 何を見る:まず全体の期限ステータスの「分布」(円グラフなど)で、危険タスクがどれくらいの割合を占めているかを把握する。次に担当者別の期限ステータス状況を見て、「どの担当者に危険が偏っているか」を把握する。
- 目的:全体の危険度合い(構造)と偏り(誰に集中しているか)を短時間で掴み、支援・再割り当てなどの意思決定につなげる。
詳細層:優先タスクの深掘り(期限超過/期限間近のタスクを見る)
- 何を見る:期限ステータスが 🚨期限超過 / 🔔期限間近 のタスクを「個別ページ」で開き、背景・依存関係・次アクションを確認する。
- 目的:把握で終わらせず、具体的な“次の一手”に落とす(依頼・リスケ・ブロッカー解消など)
運用ルール
よく発生しがちな以下を防ぐための最低限のルールを決めておくとよいでしょう。
- 完了時に「完了日」を入れる(オートメーション機能で自動化する)
- 「期限未設定」を放置しない(週次で0件にする運用もしくはオートメーションで初期値14日後などを反映するように自動化する)
- ダッシュボードから「完了」タスクを除外する(視界をクリアに保つ)
- 閾値(例:7日)を見直すタイミングを決める(スプリント変更時など)
まとめ
今回のポイントは、「期限を入れる」だけで終わらせず、期限観点で判断できる形に落とし込むことです。
そのために本記事では、期限超過/期限間近を一目で拾える 期限ステータス(分類) と、深刻順に並べて対応順を決められる 遅延日数(指標) を用意し、ダッシュボードで「探す時間」を減らして判断とアクションに時間を使える状態を目指しました。
まずは遅延日数と期限ステータスを追加して、「危険タスク」ビューを1つ作るところから始めるのがおすすめです。運用してみると、期限間近の閾値(7日→3日など)や分類の粒度は、チームの進め方に合わせて自然に最適化できます。
この記事が、みなさんのNotion運用の改善や、ダッシュボード設計のヒントになれば幸いです。
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