はじめに こんにちはこんばんは、oktaneをこよなく愛するネクストモードのおはらふです
【Okta】複雑化するOktaグループの管理を考えてみた
はじめに
こんにちは、 ネクストモード株式会社 テクニカルサポート担当です。
Oktaの運用を続けていくと、グループ数が増加し、管理が煩雑になることがあります。
特に組織が大きくなると、グループの管理が複雑化し、効率的な運用が困難になってきます。本記事では、Oktaグループを効率的に管理するための実践的な方法について解説していきます。
Oktaグループの利用用途
Oktaグループは以下のような箇所で利用することができます。
- アプリケーションのアサイン設定での指定
- プッシュグループとしての指定
- オーセンティケーター展開での適用範囲の指定
- 認証ポリシー内のruleの対象の指定
- グローバルセッションポリシーでの対象の指定
- 管理者権限の割り当てでの指定
また、Okta Identity Governance (OIG) でも活用されています。このように多岐にわたる用途があるため、機能を活用するにつれてOktaグループの数が増加し、管理が困難になることがあります。
どのような観点でOktaグループを作るべきか?
Okta管理画面では、グループ一覧や個別のグループ画面において、アプリケーションのアサインと管理者権限の割り当てのみが確認できます。
このため、グループは利用目的ごとに単一の役割を持つように独立して作成し、事前に定めた命名規則に従って管理することをお勧めします。
例えば、以下のような命名規則が考えられます。
- アプリケーションのアサインに利用するグループは、必ずサフィックスを「Assign Group」とする。
- ポリシーやルールで利用するグループなら必ずサフィックスはfor xxx policy(rule) Groupとする。
また、説明欄に用途を明確に記載することをお勧めします。
特に、Google Workspaceにプッシュグループを設定する場合、Oktaグループ名がそのままGoogle Workspaceのグループ名として反映されるため、一般的な名称(「info」や「pr」など)を使用しがちです。このような場合は、説明欄で具体的な用途を補足することが重要です。
どのような方法でOktaグループを管理するか?
Oktaグループへのメンバーシップ更新には、手動による方法、グループルールによる自動化、またはOkta WorkflowsなどのiPaaSを利用する方法があります。
手動を選択するケース
Oktaグループのメンバー数が少なく、変更頻度が低い場合は、手動での管理で十分対応できます。
グループルールを選択するケース
Oktaユーザープロファイルの属性や他のグループを基準として、メンバーシップを自動的に管理できます。以下の
- 属性を指定した場合
- グループを指定した場合
- Okta Expression Languageを使用した複数条件を指定した場合
グループルールの注意点
グループを条件として指定する場合、そのグループはグループルールによる管理を受けていないものを選択することを推奨します。
詳細については、以下のドキュメントの「Eliminate cascading rules(連鎖するルールを排除します)」をご参照ください。
もし、グループルールで管理されているグループを条件として使用したい場合は、同一の条件を持つ独立したグループルールを新たに作成することをお勧めします。これにより、メンバーシップ更新のロジックが他のグループルールに依存せず、より明確で管理しやすい状態を維持できます。
iPaaSを利用する方法
ZapierやOkta WorkflowsなどのiPaaSを利用することで、より複雑な条件でのグループメンバーシップの自動管理が可能になります。例えば、外部システムのデータを参照した条件設定や、外部承認フローをトリガーとしたメンバーシップの更新などを実現できます。
運用時の注意点
グループとその管理方針が決まったら、そのグループを必要な設定箇所で利用します。ここで重要なのは、作成したグループを本来の用途以外に使用しないことです。一つのグループを複数の設定箇所で利用すると、グループルールの変更、メンバーシップの更新、またはグループの削除時に、その影響範囲が把握できなくなり適切なメンテナンスが困難になります。
また、運用していく中で棚卸しも実施するといいでしょう。OIGの機能を活用することで、定期的な棚卸しを効率的に実施できます。以下の記事はアプリケーションを対象としていますが、同様の手法をグループの棚卸しにも応用できます。
まとめ
以上、Oktaグループの効率的な管理方法について解説しました。明確な命名規則の設定と、単一の役割を持つグループの作成により、管理が容易になります。また、用途に応じて手動管理とグループルールを適切に使い分け、グループ間の依存関係を最小限に抑えることが重要です。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。