【Okta|OIGシリーズ】アクセス認定の承認・取り消しを AI が提案!Governance Analyzer を実画面で解説

はじめに


こんにちは、ネクストモードのゆきなわです。

昨年の Oktane25 のロードマップで発表された、Okta Identity Governance(OIG)のアクセス認定(Access Certifications)を支援する Governance Analyzer が、ついに GA(一般提供)となります。Preview環境では 2026年6月3日にリリース済みで、Production 環境には 2026年8月10日〜11日に展開される予定です。

本記事では、Governance Analyzer によってアクセス認定のレビューがどう変わるのかを、Preview org の実際の画面を交えて紹介します。また、OIG 管理者が GA 前に確認しておきたい設定についても整理します。

本記事のポイント

  • Governance Analyzer は、アクセス認定のレビュアーに、データに基づくインサイトと、機械学習による承認(Approve)/取り消し(Revoke)の推奨事項を表示する機能です。
  • 推奨事項は参考情報であり、アクセスを自動的に承認・取り消しする機能ではありません。
  • Okta の通知では、GA 後はインサイトと推奨事項がレビュアーにデフォルトで表示されると案内されています。必要に応じて、Production 環境へのリリース(2026年8月10日〜11日)前に表示設定の確認を推奨します。

Governance Analyzerとは


Governance Analyzer は、OIG のアクセス権の棚卸しを実現するアクセス認定において、レビュアーの判断を支援する機能です。org 内のアクセス管理データを収集・分析し、レビューアイテムごとに、性質の異なる 2 種類の情報を表示します。

  • インサイト(Insights):アクセス管理データから生成されるコンテキスト情報
  • 推奨事項(Recommendations):インサイトと org のデータに基づく、機械学習(ML)ベースの承認/取り消しの推奨

推奨事項はあくまで判断材料であり、アクセスを自動的に承認・取り消しするものではありません。最終的な判断は、これまでどおりレビュアーが行います。

現時点で対象となるのは、グループ、アプリ、エンタイトルメント、エンタイトルメントバンドルをリソースとして認定するキャンペーンのレビューアイテムです。

提供時期と対象

項目 内容
対象 Okta Identity Governance(OIG)を利用しているすべての組織
主な利用者 アクセス認定の管理者およびレビュアー
Preview Cells 2026年6月3日 リリース済み
Production Cells 2026年8月10日〜11日 リリース予定

GA 後はインサイトと推奨事項がレビュアーにデフォルトで表示されます。表示は org 全体の Governance AI 設定とキャンペーンごとの表示設定で制御でき(後述)、設定にかかわらず、既存のアクセス認定キャンペーン自体は中断なく動作します。推奨事項の表示に規制や社内ポリシー上の制約がある組織は、リリース前に設定を確認しておきましょう。

アクセス認定の詳細については以下の弊社記事を参照してください。

実際の画面で Governance Analyzer を確認する


レビュアーが Okta Access Certification Reviews アプリでレビューアイテムを開くと、画面右側の詳細パネルに Governance Analyzer が表示されます(下図右)。パネルには最終更新時刻が表示され、末尾には "Powered by Okta AI. Verify responses for accuracy."(AI による出力のため正確性を確認するよう促す注記)が添えられています。

okta-governance-analyzer-02-governance-ai-review

Access Certification アプリのレビュー画面。右側の Governance Analyzer パネルに、推奨アクション(RECOMMENDED ACTION:Approve(承認))と 4 つのインサイトが表示されている

推奨事項を確認する

レビューアイテムごとに、機械学習による「承認」または「取り消し」の推奨事項が、[RECOMMENDED ACTION]のバッジ(Approve/Revoke)として表示されます。例外として、職務分離(Separation of duties:SoD)ルールとの矛盾がある場合は、他のインサイトの状態にかかわらず、常に「取り消し」が推奨されます。

インサイトを確認する

推奨事項を検討する際の判断材料となるインサイトは、同じパネルで確認できます。注意が必要な項目には黄色の警告アイコン、問題のない項目には緑色のチェックマークが付き、それぞれに "The user accessed the app 6 minutes ago" のような判定理由の短い説明文が添えられるため、どこを確認すべきかを一目で把握できます。

インサイト 警告表示となる例
職務分離(Separation of duties:SoD) ユーザーの既存アクセスが SoD ルールに違反している
利用履歴(Usage history) 最終アクセスが 90 日より前、または org 全体の平均より古い
過去のガバナンス判断(Past governance decisions) 過去に取り消しと判断されたアクセスが残っている、直近 2 回のキャンペーンで未レビュー
割り当て方法(Assignment method) 他のユーザーの多くがグループ経由で割り当てられている中、対象ユーザーだけ個別に割り当てられている
ユーザープロファイルの変更(User profile changes) 前回の承認以降に、部署やユーザータイプなどの属性が変更されている

各インサイトの詳しい判定条件は、下記の公式ドキュメントを参照してください。

最終判断を行う

推奨事項が表示されても、最終的な判断はこれまでどおりレビュアーが行います。Smart Review を利用している場合は、補助的な機能として、推奨結果ごとにレビューアイテムをまとめて処理できる By Recommendation モードも利用可能です。

⚠️ 推奨事項を利用する際の注意

Governance Analyzer の推奨事項は、アクセスを自動的に変更するものではありません。レビュアーが各インサイトと業務上の必要性を確認したうえで最終的に判断し、その後はキャンペーンの Remediation 設定に従って処理されます。

管理者が確認する 2 つの設定


今回の通知では、GA 後にインサイトと推奨事項がレビュアーへデフォルトで表示されると案内されています。一方、製品上の設定は、1) org 全体での推奨事項の生成と、2) アクセス認定キャンペーンでのレビュアーへの表示の 2 段階に分かれています。表示を制限したい場合は、両方の設定を確認します。

段階 設定場所 制御できること
① 生成 Identity Governance > Settings > Governance AI 推奨事項を生成するかどうか(org 全体)
② 表示 Access Certifications > Certification campaigns > Settings タブ インサイト/推奨事項をレビュアーに表示するかどうか(キャンペーンごと)

※ OIG の管理画面は英語表記が中心のため、本記事では画面名称を英語で記載し、日本語 UI を実画面で確認できた箇所のみ日本語(英語)の形式で併記しています。

① org 全体:推奨事項の生成(Governance AI 設定)

Admin Console で [IDガバナンス(Identity Governance)] > [設定(Settings)] > [Governance AI] に移動し、[Governance Analyzer]セクションの Enable Governance Analyzer recommendations で制御します。

  • デフォルトは有効
  • 無効にすると推奨事項は生成されず、過去に生成された推奨事項も表示されなくなる
  • 無効にしてもインサイトは引き続き動作する
  • 有効にしただけではレビュアーに推奨事項は表示されない(次②の「表示」設定が必要)

okta-governance-analyzer-02-governance-ai-settings

② アクセス認定キャンペーン:レビュアーへの表示(Contextual Information 設定)

[IDガバナンス(Identity Governance)] > [アクセス認定(Access Certifications)] > [Certification campaigns] の [Settings] タブで、[Contextual Information]パネルの [Additional information] > [Governance history] セクションから、次の 2 項目を制御します(下図)。

  • Governance Analyzer insights:インサイトセクション全体の表示/非表示
  • Recommendation:推奨事項の表示/非表示(インサイトは表示したまま、推奨事項だけを非表示にすることも可能)

okta-governance-analyzer-03-contextual-information-1

さらに、同じ [Settings] タブの [Governance analyzer] セクションでは、表示するインサイト(Usage history / Past governance decisions / App assignment / User profile changes)を個別に選択できます。なお、インサイトを表示する場合、SoD インサイトは個別に非表示にできず、常に表示対象となります。

(補足)設定変更の反映について

Contextual Information の変更は、基本的に変更後に起動するキャンペーンへ適用されます。アクティブなキャンペーンへすぐに反映したい場合は、キャンペーン詳細ページの [Actions] > [Refresh review item attributes] を実行します。

一般提供前のチェックリスト


Production環境へのリリース(2026年8月10日〜11日)までに、次の観点での確認をおすすめします。

  1. 推奨事項の表示が社内ポリシー上問題ないか:AI 利用規程、監査・内部統制の要件など
  2. レビュアーへの周知:推奨事項は参考情報であり、最終判断はレビュアー自身が行うこと
  3. 表示内容の調整要否:推奨事項のみ非表示にする、特定のインサイトのみ表示する、といった調整が可能
  4. 自組織の設定値の確認:Preview環境ではすでに利用可能なため、新規キャンペーンでのデフォルトの表示状態と制御箇所を事前に確認できます

おわりに


実際の画面では、推奨事項と複数のインサイトを同じパネルで確認できました。レビュアーが判断材料を行き来せずに確認できる点は、Governance Analyzer の分かりやすい利点です。

アクセス認定レビューの品質と効率を高める機能として期待できる一方、設定は「org 全体での推奨事項の生成」と「キャンペーンごとの表示」の 2 段階に分かれています。推奨事項の表示に制約のある組織は、GA 前に設定を確認しておきましょう。

本記事が、OIG でアクセス認定を運用されている方の参考になれば幸いです。

参考ドキュメント


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