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【AWS re:Invent 2025】ワークショップ「Build production AI agents with Amazon Bedrock Knowledge Bases (AIM341)」レポート

こんにちは、ホワイトバードです。

ラスベガスで開催されているAWS re:Inventに来ています。
参加したセッションについてのレポートをまとめたいと思います。

今回は、Build production AI agents with Amazon Bedrock Knowledge Bases (AIM341)についてのレポートなります。

セッション説明

原文

Learn how to build and deploy production-grade AI agents using Amazon Bedrock Knowledge Bases, AgentCore Runtime, and the Strands Agents framework. This workshop demonstrates how to enhance foundation models with enterprise data sources using RAG, implement secure agent deployment patterns, and leverage Strands for agent orchestration. You'll gain hands-on experience connecting to tools through Amazon Bedrock AgentCore and monitoring agent behavior through comprehensive observability—all while maintaining enterprise-grade security and scalability.

翻訳

Amazon Bedrock Knowledge Bases, AgentCore Runtime, Strands Agentsフレームワークを使用したプロダクショングレードのAIエージェントの構築とデプロイの仕方について学びましょう。本ワークショップでは基盤モデルへのRAGを使ったエンタープライズのデータソースの追加方法、セキュアなAIエージェントのデプロイパターン、そしてStrands Agentsによるエージェントのオーケストレーションの方法を体験します。参加者はエンタープライズグレードのセキュリティとスケーラビリティの確保しながらAmazon Bedrock AgentCoreでのツール利用と、AIエージェントの振る舞いを観察するハンズオンを行います。

セッション形式:Workshop

セッション時間:2時間

セッションレベル:400

セッションレポート

本セッションでは、RAG(拡張検索生成)、Strands Agents、Bedrock AgentCoreといった比較的新しい概念が出てくるため、基礎的な知識の話から入ります。

RAGについて

RAGについては本レポートでは深くは触れませんが、本ワークショップで非構造化データと構造化データの違いを復習します。

  • 非構造化データの場合
    ドキュメントをはじめ自然分や画像、動画などで構成されたデータを読み取る場合は、ベクトルストアを使用します。本ワークショップでは、OpenSearch Serverlessを使用しました。
  • 構造化データの場合
    自然言語クエリをSQL文に変換し、データの移動や前処理なしに構造化データにアクセスします。本ワークショップでは、Redshiftに格納されたデータの読み取りを行います
基本的な流れを整理します。

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RAGの基本的な概念は下記をご覧ください

https://aws.amazon.com/jp/what-is/retrieval-augmented-generation/

Strands Agentsについて

Strands AgentsはオープンソースのSDKで、非常に少ない行数で記述できるのが特徴です。簡単なインタラクションからマルチエージェントのオーケストレーションまで幅広く対応できます。

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-strands-agents-an-open-source-ai-agents-sdk/

Bedrock AgentCoreについて

Bedrock AgentCoreは高機能エージェントを安全かつ大規模に構築、デプロイ、運用できるエージェントプラットフォームです。本ワークショップでは、下記の機能を使用しました。

  • AgentCore Runtime セッション分離機能を備えた低遅延サーバーレス環境を提供し、人気のあるオープンソースフレームワークを含むあらゆるエージェントフレームワーク、ツール、モデルをサポートし、マルチモーダルワークロードと長時間実行エージェントを処理します。
  • AgentCore Memory :セッションメモリと長期メモリを管理し、モデルに関連するコンテキストを提供しながら、エージェントが過去のインタラクションから学習できるようにします。
  • AgentCore Observability :リアルタイムダッシュボードと詳細な監査証跡を通じて包括的な監視を提供し、エージェントの推論と行動に完全な可視性をもたらします。

Bedrock AgentCoreについては、こちらをご覧ください。

https://aws.amazon.com/jp/bedrock/agentcore/

 

ワークショップの流れ

ラボは大きく3つのパートに分かれています。

  1. 非構造化データのナレッジベースの作成
  2. 構造化データのナレッジベースの作成
  3. AgentCore でのデプロイとMemoryの実装、Observabilityによるトレース

ラボ3まで終わらせるとこのような構成となります。

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ワークショップでの学び

ワークショップを通じて、本番環境でAIエージェントを使用する際にはこのようなことが大切だという学びを得ました。

本番環境へのデプロイ時の考慮事項

  • コンテナ化: ARM64をサポートするDockerベースのパッケージング

  • IAM設定: AWSサービスへのセキュアなロールベースアクセス

  • ECR統合: 自動イメージビルドとレジストリ管理

  • 自動スケーリング: 需要に応じてスケールするサーバーレスランタイム

  • エンドポイント設定: 本番利用のためのエンドポイント

メモリの統合 

  • 短期メモリ: セッション内での会話の継続性維持

  • 長期メモリ: セッションをまたぐユーザーの好みの学習

  • メモリ戦略: 要約の生成と好みの抽出

  • Hook統合: Strandsフックを使用した会話の自動ログ記録

  • SSMパラメータストア: 集中化された環境の管理

オブザーバビリティ (Observability)

  • OpenTelemetry統合: ADOTによる自動計装(Instrumentation)

  • CloudWatch GenAI Observability: エージェント監視用のダッシュボードを使用した可視化

  • トレース分析: スパンレベルのタイミングを含む詳細な実行パスを分析

  • セッショントラッキング: 会話レベルのメトリクスとユーザーパターンをトラッキング

  • メトリクスとログ: 包括的な運用の可視化

まとめ・感想

RAG, AgentCore, Strands AgentsとAWSでのAIエージェントの開発に必要なツールやサービスを一通り学ぶことができました。アイデアを形にできるよう、引き続き学んでいきたいと思います。