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【AWS re:Invent 2025】セッション「The power of cloud network innovation (INV213)」レポート

こんにちは、ホワイトバードです。

先週ラスベガスで開催されているAWS re:Inventに参加していました。
参加レポートをまとめています。

今回は、セッション「The power of cloud network innovation (INV213)」レポートとなります。
本セッションはネットワーク分野のInnovation Talkとなります。
Innovation Talkは各分野のVPや責任者クラスの方が登壇し、全体像や方向性などを話すセッションとなり、特定の分野におけるKeynoteといってもよいセッションとなっています。

既に本セッションは動画で公開されています。

 


セッション説明

原文

Journey through an evolution of AWS networking and discover how it continues to serve as the foundation for how AWS delivers on the promise of cloud computing. Join Robert Kennedy, VP of Network Services, as he unveils innovative breakthroughs powering today's cloud infrastructure. Through customer examples and exclusive behind-the-scenes insights, learn how AWS transforms networking across every layer - from our global backbone to AI/ML-optimized data centers, advanced content delivery, enhanced perimeter protection and security, scalable VPC networking, and global connectivity solutions. Watch how these innovations enable customers to build the next generation of cloud applications and modern networks.

翻訳

AWSのネットワークの進化をたどり、それがAWSがどのようにクラウドコンピューティングの約束を果たす基盤として機能し続けているかを学びます。ネットワークサービスのVPであるRobert Kennedyが今日のクラウドインフラストラクチャーが革新的なブレイクスルーを発表します。カスタマーエクスペリエンスと背景情報の洞察を通じて、AWSがどのようにしてグロバールインフラストラクチャーからAI/MLに最適化したデータセンターに至るまでのすべてのレイヤーにおいて高度なコンテンツ配信、強化された境界保護、スケーラブルなVPCネットワーキングとグローバル接続ソリューションを変えてきたかを学びます。これらのイノベーションによって、お客様が次世代のクラウドアプリケーションと最新のネットワークを構築できるようになる様子をご覧ください。

セッション形式:Innovation Talk

セッション時間:1時間

セッションレベル:200

セッションレポート

AWSネットワーキングの概要

  • RobertさんはAWSのネットワークサービスのVPであり、AWSにおいて16年間シンプルなネットワーク接続から、高度に洗練されたネットワークインフラまでの変革を担当
  • AWSのネットワークはシンプルなWebアプリケーションから大規模なAIモデルやグローバルのストリーミングイベントまで、多様な範囲のワークロードのバックボーンに提供されている
  • AWSは地上の光ファイバーからエッジに至るまでネットワークスタック全体を保持しており、これまでにない柔軟性を持った制御を行っている
  • AWSでは30万台を超えるスイッチと4000万を超える物理ポートを保持しており、これまでにないスピードで成長を遂げている

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AIインフラストラクチャーのためのネットワークの強化

  • AIワークロードは複雑性とオンデマンド性を増し、従来のネットワーク運用では限界にきている
  • AWSでは中空光ファイバーケーブルにより光転送効率を30%効率化させた
  • Trainium 2 UltraServerは64基のTrainium 2チップを高帯域で低レイテンシーなNeuron Linkで接続している
  • Amazon EC2間の接続強化のためAmazon EC2 UltraClusterを開発
  • AIトラフィックの高速化とパフォーマンス・回復性の最適化のためファーストホップのネットワークデバイスであるUltraSwitchを開発
  • サーバと内部ネットワークの通信高速化のための超単距離光ファイバーケーブルも開発し、電力効率を3倍に向上
  • 25万以上の物理リンクからなるMLファブリックを500ミリ秒未満で統合できるスケーラブルなインテントドリブンルーティング(SIDR)を実装
  • 最大100万個のトレーニングチップを備えた世界最大級のAIコンピューティングクラスターの一つであるProject RAINERをAnthropicと共同で開始

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VPCとアプリケーションネットワークの強化

  • Amazon VPCは独立でセキュアでアンダーレイのインフラストラクチャーのことを考えずにプログラマブルにアクセスできるようにしてある
  • AWSでは、数十万のVPCのデプロイメント最大で数十億の更新を行えるようになっている
  • ユーザー環境は異なるチームやアプリケーションのためにシングルVPCから10000ものVPCに拡張できるようになっており、VPC間の接続をシンプルにしていくことが重要
  • VPC Latticeはルーティングテーブルの複雑性を排除し、インテントドリブンネットワーキングを提供できるようになっている
  • 今回に合わせて次のようなアップデートに対応 

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APIマネジメントの強化

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セキュリティの強化

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グローバル接続ソリューション

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ゲスト登壇

Jim Ostrognai氏 SVP Engineering, Salesforce
  • Salesforceでは、18の国でTransit Gateway, Privatelink, NLBなど活用してサービスを提供中。
  • セキュアで高速なカスタマーデータの取り込みのため、AWS InterconnectによるGoogle Cloudとの接続を拡大

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まとめ・感想

毎年このセッションはAWSのインフラストラクチャーの拡大を知れる機会になるので、定点観測としていいセッションになっています。それにしても光ファイバーケーブルをYoYで50%成長させるのは驚きでした!
ネットワークもAIに最適化していくのは数年前からのトレンドでしたが、今年はProject RAINERなどの大規模なお話も出てきたり、具体的な事例が増えてきたように思います。
それ以外にはAWS re:Invent直前に発表されたアップデートが中心でしたが、直前のアップデート自体も大量にあったのでその中でも重要なアップデートをVPから直接聞けたのは良かったと思いました。