日本酒をこよなく愛する里見です。会社を立ち上げた2020年から、仕事と旅を交差させる暮らしが始まりました。気がつけば、年間100日以上を旅先で過ごすようになり、どこか遠くへ向かうたび、パッキングの時間すら旅の一部に感じられるようになってきました。
この5年間で、トータルおよそ1,000日ほどをワーケーションに費やすうちに、持ち物もだんだんと洗練され、軽く、無駄なく、そして快適になってきた実感があります。何時でも何処でも働けるのは、NetskopeやOktaといったセキュリティ製品のおかげです。今回はそんな経験をもとに、ネパールのヒマラヤのトレッキング、とりわけゴールデンウィークに訪れたアンナプルナに必要な持ち物をまとめてみました。
2024年と2025年にはアンナプルナ・ベースキャンプ(ABC)を、そして2025年春にはアンナプルナ・サーキット(ACT)を歩いた体験を踏まえ、「次に自分が行くならこれを持っていく」という目線でご紹介します。これから出張やワーケーションを予定している方のパッキングの参考にもなるかと思います。私自身も、2025年9月に再びアンナプルナに行くため、本気で書きました。
山道具 ⇒ とにかく軽く
山の道具は、基本的に日本の山で使っていた信頼のできるものを持ってきました。特に重宝したのがエマージェンシーシートで、ヒマラヤではじめて使いました。①高山病でダウンしていた、②山小屋が個室でなかった、ということもありますが、ここまで寒いとは思いませんでした。軽量化と寒さ対策のバランスは人それぞれですが、自分は寒がりなので、どうしても重ね着が多くなり、重くなります。
項目 | 正式な製品名 | メーカー | 製品概要 | ヒマラヤ・トレッキングで必要な理由 | URL |
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30 L リュック | ズール30 |
GREGORY |
夏:体にぴったりとフィットする背負い心地と、背中とパックの間に空気が流れる通気性があり、ベルトが厚いので疲れにくい。動きに伴って柔軟にフィットし、重い荷物を背負うのに必要なサポートを提供します。 |
厳しい荷重でもフィット感が高く、装備を整えて一日歩くヒマラヤでも背負い疲れを軽減できる。 |
https://www.gregory.jp/gregory/float/zulu-30-sm/md/gr-145664-0662.html |
寝袋、エマージェンシーシート | マミータイプ非常用シート | 不明 |
夏:カサカサ音が少ないマミー型薄シート。軽量でコンパクト。 冬:コンパクトな寝袋を持参 |
山小屋到着が遅れ雑魚寝になる可能性を想定して購入、保温・防寒・緊急時に重宝。 | |
サンダル | 100円ショップで買った500円のもの | 靴下のまま履けるソックオン構造のサンダル。軽量で快適。壊れたら捨てて帰る予定。 | 山小屋で靴を脱ぐ場面が多く、靴下のまま気軽に履けて休憩時の足の疲れ軽減に良い。 |
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ナイフ | Classic SD | Victorinox |
軽量(約23 g)、シンプルな 7 機能付きスイス製キーリングナイフ Victorinox。 |
軽くて信頼性高く、小さなメンテナンス作業や緊急時に便利。 | |
爪切り |
ネイルクリッパー | Victorinox |
軽量(12 g)、シンプルな爪切り。 |
なぜか爪のトラブルとなることが多く、持っていくと重宝します。 | |
タオル | ナノハンカチ | finetrack | 18gと超軽量。どこにでも携帯しやすいサイズです。 | 手拭き、シャワー後、緊急包帯などに使えます。 | |
ソーイングセット | 無メーカー | 糸、針、安全ピン、等の最低限のもの | 洋服がほつれたり、破れたり、いろんなことが起こります。あると便利です。 |
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折り畳みストック | Rapid Carbon ポール | GRIPWELL | カーボン製で軽量、安価ながら強度もあるトレッキングポール。 | 疲れによる膝への負担軽減やバランス維持に最低1本あると安心。下りが長いので、2本あるとより安全。 | |
ザックカバー | レインカバー | 防水/防塵用ザックシート。折り畳み式で軽量。 | 突然の雨や雪でも中身が濡れず、ヒマラヤの悪天時に荷物をドライに保つ。 | ||
ヘッドライト | Petzl ACTIK CORE | Petzl | 充電式 450〜600 ルーメン、広角+ミックス光ビーム対応。CORE バッテリーまたは AAA 電池併用可能。 | 早朝行動(アタック)や夜間移動に必須。 | https://www.amazon.com/dp/B07W7CTBGT |
ライト | WUBEN G5-BK | WUBEN | 小型ながら400ルーメンのライト。 | 夜間の行動や早朝行動の予備ライト。 | |
チェーンスパイク | スノースパイク シングルフィット |
mont-bell |
夏:超軽量な簡易式アイゼン。スタッフバックを入れても200gです。 冬:チェーンスパイクを持参 |
5月のGWにACTに登った時には、トロンパス越えて雪が深く、滑りやすかったです。氷雪対策として必須。5月、9月のABCでは不要でした。 |
https://webshop.montbell.jp/goods/disp_fo.php?product_id=1129611&force=1 |
寝袋は重たいので、夏は山小屋の毛布の下にエマージェンシーシートを入れて寝ていました。はじめて使ってみて、思ったよりも暖かく、汗をかくぐらいでした。マミー型は寝ていてズレないので便利です。また、カサカサ音の少ないものだと、寝心地も良くなります。
防寒着 ⇒ 軽くて消臭力の強いウールを中心に
できるだけウールのものを選んでいます。レッグウォーマーが快適過ぎて、ふくらはぎを温める大切さを知りました。VBL(ベイパーバリアラップ)は秀逸で、指先が寒くなりません。シャワーのある小屋がほとんどですが、寒くて浴びない人が多いです。項目 | 正式な製品名 | メーカー | 製品概要 | ヒマラヤ・トレッキングで必要な理由 | URL |
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帽子(防寒) | ウールキャップ | 不明(ポカラ購入品) | 耳を覆うウール製ニット帽。 | 5000m近くは氷点下なので、暖かい帽子での防寒は必須。 | - |
帽子(日除け) | ステンレスメッシュハット | mont-bell | 通気性・日除けに優れたトレッキングハット。 | 標高3000m以上になると、直射日光が強烈なため、日射病防止に必須。 | https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1118789 |
サングラス | 折り畳み偏光グラス | 不明(Amazon安価品) |
夏:軽量・折り畳み可能な偏光サングラス。 冬:ゴーグル持参。 |
紫外線は平地の2倍以上であるため、雪目予防に必須。 | |
バラクラバ | スーパーメリノウール バラクラバ | mont-bell | ウール製、吸湿発熱、口鼻を覆える。 | 風が強い稜線・氷点下対策に必須。 |
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1118170 |
雨具 上 | トレントフライヤー ジャケット Men's | mont-bell | 186gと軽量な防水ジャケット。防風性が弱いため、軽量化とのトレードオフです。 | 雨+防風シェル兼用、実際に3回雨に遭遇。トロンパスでは少し寒かったですが、動いていれば大丈夫です。 | https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1128741 |
雨具 下 | トレントフライヤー パンツ Men's | mont-bell | 162gと軽量防水パンツ。防風性には優れていないため、軽量化とのトレードオフです。 | 強雨は稀なため、軽量なものを。洗濯をした際に、一時的な着替えとしても履いてました。 | https://webshop.montbell.jp/goods/disp_fo.php?product_id=1128561 |
ダウンジャケット | プラズマ1000 ダウンジャケット Men's | mont-bell | 1000フィルパワー・EXダウンを封入し、生地には超軽量と耐久性を両立させた極薄シェル素材を採用。 | 標高5000m付近の夜間は氷点下10℃以下になります。軽くて暖かいダウンを選びました。 |
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101493 |
ダウンジャケット | THE NORTH FACE |
夏:軽量なダウンジャケット。 冬:mont-bellの極厚のダウンジャケット |
トロンパスを越える時は、早朝出発で寒かったので、ダウンを重ね着していました。 |
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ダウンパンツ | THE NORTH FACE |
夏:軽いダウンパンツ。 冬:本格的なダウンパンツ。 |
夏でもトロンパスを越える時は、早朝出発で寒かったので着ていました。 | ||
オーバーパンツ | #1102537 | mont-bell | 冬:アルパインパンツ | 冬のトロンパスがどこまで寒いのかわからなくて、持参しました。 | |
上着(中間着) | Octaアンダー×2、ロングスリーブベースレイヤー | NANO universe | 薄手で保温性のあるベースレイヤー。 | 重ね着で温度調整、休憩中の冷えを防ぐ、セーターの代わりになります。下着を洗濯したときには、乾くまでOktaを直接着ていました。 | |
上着(中間着) | フリース | THE NORTH FACE |
冬:バーサロフトジャケット。 |
重ね着で温度調整。山小屋の中もかなり寒いので、快適に過ごすために持参しました。 | |
手袋(外側) | ポカラで購入 | 無メーカー |
夏:厚手のウール手袋。 冬:BlackDiamondの極厚の手袋。 |
前回、テムレスだと寒かったので軽くて厚手のウールに変更。 | |
手袋(インナー) | 200 オアシス グローブライナー | Icebreaker | メリノウールが指先まで保温します。 | インナーで保温力を増強、重ね着で快適、薄いので穴が開きやすいのですが、20か所ぐらいの穴を何度も補修して使っています。 | https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/IN62201 |
暖かいスパッツ | ライトスパッツ | 山と道 | 軽量・伸縮性に優れたスパッツ。 | 足元の冷えを防ぎ、行動中の快適性向上。 | https://www.yamatomichi.com/products/light-alpha-tights |
レッグウォーマー | 陽の国 レッグウォーマー | もちはだ | 極厚起毛素材で高保温。 | 夜間やテント泊で脚を温めるのに最適。 | https://washio-japan.com/products/mhs-006 |
ネオプレーンソックス | ウェットスーツ素材ソックス | 不明(安価品) | 防水・保温性のあるネオプレーン。 | VBL(ベイパーバリア)効果で足を冷えから守る。 | https://www.amazon.co.jp/dp/B07H896ZNB?ref_=ppx_hzsearch_conn_dt_b_fed_asin_title_1&th=1 |
ビニール手袋 | VBL用ビニール手袋 | 不明(市販品) | 100均などの使い捨て手袋。 | グローブ下に装着し汗を抑え、防寒効果を維持。 | - |
防水袋 | 旅行用洗濯袋 | Scrubba Washbag | 雨対策として、完全防水の袋。 | 本来は旅行用洗濯袋ですが、完全防水にしたいのでこれを使っています。洗濯にも使えるので。バルブの開閉で圧縮袋にもなります。 |
家電 ⇒ コンパクトなものを
雨具はモンベルの撥水材に漬け込んで、水弾きをよくしておきます。霧を含めて、雨になることが多いため、快適に過ごすにはメンテナンスをしておくと安心です。
重たくなりますが、あると便利なものです。山小屋でも料理として提供しているところが多いですが、割と高いですし、味の好みもあるので、好きなものを持参するのがオススメです。ネパールはアラビカコーヒー豆なので、ロブスタ種のベトナム等と比べると美味しいですが、焙煎方法なのか、淹れ方なのか、山小屋で好みのものを見つけるのが難しいです。山の中では、日本の安いドリップ珈琲の方が美味しいことが多いです。
今回は以下をもっていかなかったですが、あると気持ちが豊かになります。
YOWANのおかげで車酔いがなくなりました。アンナプルナまでは、ガタガタの悪路を長時間のバスやジープで移動するため、トレッキングの前に疲れてしまわないためにも、YOWANは必須です。今回のようにカトマンズに荷物を預けて、登山の装備だけでジープに乗る場合には、YOWANを小分けにして首に吊るしています。そうすれば重量を減らせますし、山小屋でも気持ちのいい香りを楽しめます。
YOWANのキューブをふたつ、ダブルクリップで挟んで、簡易的なストラップにしています。YOWANはトドマツが成分であるため、ダイレクトに洋服に触れないように、ダブルクリップの奥まで挟んでいます。
持って行っても使わなかったものです。