はじめに こんにちは。ネクストモード株式会社のゆきなわです。 現在、米国ラスベガスで開催中の Okta 社年次イベント「Oktane」(2025年9月24日〜26日開催)に参加しています。...
【Oktane25】必見!Flowcase 2025 で紹介された Okta Workflows の最新ロードマップ
はじめに
こんにちは。ネクストモード株式会社のゆきなわです。
現在、米国ラスベガスで開催中の Okta 社年次イベント「Oktane」(2025年9月24日〜26日開催)に参加しています。
本記事では、Oktane 最終日の9月26日に行われたブレイクアウトセッション「Flowcase 2025: Get inspired by how customers secure and scale with Workflows」(レポート記事)で中で紹介された、Okta Workflows の最新ロードマップと新機能を紹介します。
Okta Workflows のロードマップ
「Flowcase 2025: Get inspired by how customers secure and scale with Workflows」のセッション後半では、Okta Workflows の製品責任者 Nate Callaghan 氏が登壇し、ロードマップの詳細を紹介しました。Callaghan 氏は「この 1 年でチームが取り組んできた内容をぜひ知ってほしい」と語り、現在提供中の機能から将来的な計画まで、体系的に説明しました。
1. 現在利用可能 (GA) または提供予定の機能
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Isolated Infrastructure (分離された実行環境)
Workflows を大量に活用する顧客向けに、専用の Kubernetes ワークロード上でフローを実行できるアドオン SKU が提供されます。他テナントからの影響を受けずに安定稼働できるため、大規模環境での競合やスロットリングのリスクを大幅に低減します。 -
DoD 向け環境の提供
FedRAMP High 認定に続き、米国国防総省 (DoD) 向けクラウドでも Workflows が利用可能となりました。Okta Identity Governance (OIG) や Identity Threat Protection と並び、厳格なセキュリティ要件に対応する取り組みです。 -
実行履歴のストリーミングとインスペクター
すべてのフロー実行データを外部の監視ツール (SIEM 等) にストリーミング可能になりました。さらに「Execution History Inspector」により、レイテンシー増加やスロットリングの原因を自己分析できるようになります。 -
新規コネクタの拡充
Okta Integration Network (OIN) に Netskope、Coupa、Splunk、Mimecast などの新コネクタが追加されました。今後は SentinelOne、ServiceNow、IBM Cloud、Databricks など主要アプリケーションとの連携も順次拡大予定です。
2. ビルダー体験を向上させる新機能
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UI/UX の改善
フロー構築画面でカードを展開・折りたたみ可能になり、より多くの要素を効率的に配置できます。要望の多かった条件分岐カード (If/Else 等) の複製機能も追加されます。 -
インラインイテレーター (Inline Iterators)
リスト処理をメインフロー内に直接記述でき、ヘルパーフローを呼び出す必要がなくなります。これによりフロー設計がシンプルかつ読みやすくなります。
3. セキュリティとガバナンスの強化
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RBAC (ロールベースのアクセス制御)
ベータ版として 4 つの新しいロールが追加され、フロー・接続・フォルダ単位でより細やかな権限管理が可能に。部門ごとにサンドボックスを提供し、安全に自動化を委譲できるようになります。 -
Sensitive Data Controls (機密データの制御)
デバッグ目的で履歴を保持しつつ、個人情報や認証情報など機密データを自動マスキング。透明性とセキュリティを両立させます。
4. 今後の取り組み
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Predictive Analytics (予測分析)
過去の実行データを活用し、フロー設計時にパフォーマンス予測や推奨事項を表示。低トラフィック時間帯での実行など、効率的な設計を支援します。 -
フローのバージョニング
まずは監査ログから始まり、将来的には完全なバージョン管理へ拡張。誤った変更があっても以前の安定バージョンへ戻せるようになります。 -
API Actions Builder
標準的でない API を持つアプリケーションともノーコードで連携できる新ツール。まずは ISV (Independent Software Vendor; 独立系ソフトウェアベンダー) 向けに 2026 年初頭から提供し、その後顧客向けにも開放予定です。 -
生成 AI の活用
自然言語の指示からフロー雛形を自動生成する実験が進められています。正式なロードマップ入りは未定ですが、初期構築の効率化が期待されます。
Oktane の Expo 会場でもデモが展示されていました。
おわりに
今回のロードマップでは、多くのユーザーにとって有用な機能が順次発表され、Workflows がエンタープライズ向けの自動化基盤として着実に発展している様子がうかがえました。
RBAC などのガバナンス強化に加え、フロー構築を効率化するための改善や、バージョニング・生成 AI といった将来を見据えた取り組みまで、プラットフォームを多面的に進化させようとする Okta の方向性が示されていたと感じています。
引き続き現地からのレポートをお楽しみに!
おまけ
本セッションのノベルティは Workflows T シャツでした!