【re:Invent 2025】 Amazon Quick Suiteで体験するAI駆動型BIに参加してきました

こんにちは、ネクストモード株式会社の平林です。

今回は、今回は「BIとAIの融合」をテーマにしたワークショップ「Experience AI-powered BI with Amazon Quick Suite (BIZ204-R)」に参加してきました。

従来のBIツールといえば「データをグラフ化してダッシュボードを見る」ことが主役でしたが、

このワークショップでは「データと会話する」「AIが洞察を提案する」「そこからアクションまで繋げる」という、

新たなBI体験（Amazon Quick Suite）を一通りハンズオン形式で学ぶことができました。

本記事では、そのワークショップの模様と、実際に手を動かして見えてきた「AI時代のBI」の姿についてレポートします。

セッション概要

まずはセッションの基本情報です。

• セッションID：BIZ204-R
• セッション名：Experience AI-powered BI with Amazon Quick Suite
• 形式：Workshop
• レベル：200 – Intermediate
• スピーカー：Vinod Jaganathan、Priya Mysore

今回登壇されたスピーカのお二人です。

ワークショップの内容

今回のワークショップは、AIエージェントの構築から自動化フローの実装まで、大きく分けて3つで構成されていました。

• ダッシュボードを作成する

最初のセクションは、AIを活用したダッシュボード構築の基礎です。

従来のように複雑な操作でグラフを作るのではなく、チャットでのやり取りで視覚化を行いました。

フィルターしたり、グラブの種類を選んだりすることもなく、直感的にやりやすかったです。

1. トピックの作成: データセットの上に意味的なレイヤーを作成
2. チャット形式での作成: 「〇〇の売上推移を見せて」といった指示でビジュアルを生成
3. 公開して共有: 作成した分析をダッシュボードとして発行し、チームで共有可能な状態にする

対話形式でやりたいことを伝えると、1分程度で下記のような表を作成してくれます。

• データとチャットする

2つ目のセクションは、完成したダッシュボードに対して「質問」をするフェーズです。

ここでは、デフォルトのシステムチャットエージェントを使用しました。

1. ダッシュボードから質問する: フィルタリング操作ではなく、チャット形式でデータの深掘りを実施
2. 文脈の理解: 追加の質問をした際、前の質問の文脈（フィルタ条件など）が維持されることを確認
3. 自動フィルタリング: プロンプトの内容に基づき、AIが適切にデータを絞り込んで回答を表示

• カスタムチャットエージェントの構築

3つ目は、より高度な分析と専用エージェントの構築です。

ここでは電気自動車の顧客満足度データを例に、特定の業務知識を持ったエージェントを作成しました。

1. シナリオを使って探索する: 外部ファイルをアップロードし、「もし〇〇だったら？」というシナリオベースの分析を実施
2. カスタムエージェントの構築: 特定のトーンやスタイルを持ったエージェントを設定し、ナレッジスペースとリンク
3. エージェントとの対話：様々な情報から電気自動車の満足度の調査やおすすめのプロモーションを対話形式で提示

複数の情報から適切な結果を提供してくれます。

最終的には下記のようなダッシュボードが完成しました。

またAIに詳細な調査を指示し、研究タスクの正しさを論文などから調査も可能です（30分～60分程度かかるため、途中で止めています）

やってみて分かったこと

• 静的なダッシュボードからの脱却

これまでのBIは「予め設計されたグラフを見る」ものでしたが、

Amazon Quick Suite を使うことで「その場で思いついた疑問を投げる」スタイルに変わりました。

「ダッシュボードを作るスキル」がなくても、ビジネスユーザーがやりたいことを伝えるだけで実現できる機能は良いなと感じました。

• 構造化データと非構造化データの統合

特に印象的だったのが、SQLで叩けるような「構造化データ（売上数値など）」と、

Wikiやメールなどの「非構造化データ（テキスト）」を横断して分析できる点です。

「売上が落ちている（数値）」と「顧客からのクレーム内容（テキスト）」を同じチャットインターフェースで扱えるため、

事象の「What」だけでなく「Why」まで素早く辿り着ける可能性を感じました。

まとめ

今回のワークショップは、以下のステップで「AI時代のBI」を体感する実践的な内容でした。

1. AIと共にダッシュボードを作り
2. データとチャットで対話し
3. カスタムエージェントで専門知識を補完

実際に手を動かしてみて、「使いこなす」ことのハードルが思ったより低いことにも驚きました。

リアルタイムで業務知見を反映できるため、業務改善や意思決定のスピードも格段にアップしそうです。

今後は自社データと掛け合わせて、さらに多様な現場課題の解決にAI×BIが活きていくことでしょう。

このブログがデータのモダナイゼーションに興味がある方の参考になれば幸いです！